切鮫と千里眼の居酒屋トーク:第4回
メキシコのシマウマ、新潟のシマウマ
構成:千里眼、切鮫
2007年6月・都内某所
友里(以下、友)「お久しぶり、1年7ヶ月振りのトークでございます」
切鮫(以下、鮫)「『帰ってきた居酒屋トーク』!(笑)昨年はやらなかったからね」
千里眼(以下、千)「実は非公式のは昨年から今年にかけて何度かやってるんだけどね」
鮫「荻窪とか御徒町とかね。でも編集者が出席してなかったから記録に残ってない」
友「編集担当ってあたしのことかしら?呼んでくれればいつでもはせ参じましたのに」
千「まぁギャラは飲み代おごってやることで済みますからねぇ」
鮫「その代わりちゃんと編集してくれよ、おいらは酔っ払ったら忘れっちゃうからね」
友「はいはい。じゃぁ、いくわよ。
では、今中国の偽ブランド問題が世間を騒がせてますけれど、
その点についておふたりからのコメントを」
千「何で突然時事ネタ?(笑)このトークは主に格闘技&プロレスネタでやってたわけでしょ」
鮫「ああ、中国偽ブランドに強引につなげるちょうどいいネタが出たなあ」
千「それはもちろん『メキシコのシマウマ』の事ですね」
友「な、何でメキシコにシマウマがいるのよ。
本来ならシマウマはアフリカにしかいないのよ。
もしかしてあの中国のなんたら遊園地みたいに
ただのウマにペンキで縞描いたっていうのがメキシコにもいたの?」
鮫「シマウマはアフリカにしか棲息しない?動物に詳しいじゃん。
みのが司会の『どうぶつ奇想天外』毎週見てるクチか?あれTBSだぞ。
おいらは国営放送の『ダーウィンが来た』派だけどね。
さて実は5月の13日にメキシコのアレナ・メヒコっていう会場で、
ウルティモ・ドラゴン主催で『ドラゴ・マニアU』とかいう名前の興行が行われたんだよ。
その大会のメインで日本の、しかもU系の高山善廣と鈴木みのるを含むチームが対戦したチームに
あの仮面貴族、ミル・マスカラスが久々に登場したんだ」
千「見た見た。仮面貴族対UWF系!
こちらは週刊プロレスの巻頭記事で見たけれど、あれさぁ、ほんとにマスカラスなの?」
友「え?なんでそんなこと思うわけ?」
鮫「そこなんだポイントは。おいらが見た東スポだとね、マスカラスはゼブラ仕様の全身タイツ。
自慢の肉体美の上半身をシマシマですっぽり隠してる」
千「ご丁寧に黒手袋までしてるし(笑)、覆面と体のコスチュームも繋がってるから首も見えない。
あれじゃ皮膚呼吸できないじゃん。危ないよね」
鮫「皮膚呼吸っていうと映画の『007ゴールドフィンガー』のオープニング思い出しちゃうんだけど(笑)それはともかく、
むかしさ、ビートたけしのお笑いのネタに
日本プロレスでザ・デストロイヤーが大人気だったころっていうのがあってね。
デストロイヤーが地方興行で怪我しちゃった。
でも人気のデストロイヤーを試合に出さないわけにいかず、
しょうがないから隣の村の体が大きい若いあんちゃんに覆面かぶせてリングに上げちゃった。
で、試合で馬場が腕とったら替え玉のあんちゃんが日本語で『痛てぇ』って言っちゃって、
やばいと思った馬場があわてて手で替え玉のあんちゃんの口を塞いだら
あんちゃん思わず『く、苦しい』って言っちゃった、っていう話を思い出しちゃったんだけど」
友「どういうこと?」
千「だからさぁ、全身隠してるんなら中身は誰でも分かんないじゃないのってこと」
鮫「マスカラスには腹部に昔メキシコ系悪役コンビのゴリアス&ゴールドマンにナイフで切りつけられた大きな傷跡があって、
マスカラスの後天的身体特徴として長らく認知されていたはずでね。
その特徴まであの全身タイツで隠されちゃったら、中身は本物なのか?ってふと思ったわけよ」
千「こうなると、我々的にはあれは『スーパー・マスカラス』とでもいうべき代物だよね。
でもシマウマ版マスカラスは記憶じゃ、初期のロス登場時に覆面だけはシマウマなのが、
雑誌ゴングに出ていたと思うんだけどね」
鮫「たけしのデストの替え玉の話がもし本当だとしたら
この隣村のあんちゃんが正真正銘・元祖『スーパー・デストロイヤー』だね、SAMEDASU的には。
話戻ってシマウマのマスクマンっていうと、元祖は力道山とも対戦した『ゼブラ・キッド』だね。
その次っていうとグレート・ゼブラ、かな。」
千「出た!梶原先生の漫画のタイガーマスク」
鮫「そうそう、『覆面ワールドリーグ戦』に突如登場した超巨漢覆面レスラーなんだけど、
これこそ全身シマウマ柄!敵キャラの怪力ライオンマンが引っ張るチェーンを片手で引きなおす怪力!
あの細い腕でマンガではすごい怪力!」
千・鮫「ぎゃははははは!(爆笑)」
友「なにがそんなにおかしいの?」
鮫「だって新潟県三条市産なんだよ、あのシマウマ(笑)。
ゼブラがタッグ戦でカットに入ろうとして、キックやろうと足あげるんだけど、
蹴り使うと正体がばれる、足がでかいから、蹴らないで足を下ろすっていうシーンもあった。
あんた『タイガーマスク』が連載してた頃は生まれてないかもしれないけど、正体わかるだろ?」
千「シマウマから馬を連想するってところもヒントだね」
友「新潟出身で大きい選手・・・あ!」
千「わかったようですね。
ところであのマンガ、タッグ戦のタイガーマスク&グレート・ゼブラ組の相手チーム、
ライオンマンのパートナーって『エジプト・ミイラ』なんだけどこれって・・・」
鮫「今をときめくメカマミーの御先祖様かあ!
じゃあ全身シマシマのマスカラス対メカマミーの対戦を所望します!」
千「タイガーマスクは4代目が新日本にいますから、あとライオンマンさえ見つけてくれば
『覆面ワールドリーグ戦・決勝戦』が再現できますよ」
鮫「リアルG.ゼブラがもはや存在しないのは残念だけど、仮面貴族が全身シマシマで登場してくれれば充分。
それからライオンの方だけど、中西だか永田が中身の『ライオン丸』っていうキャラが数年前にあったじゃない。
これでどうでしょ?4代目タイガーが出られない場合は・・・」
千「佐山!あるいは・・・!この方がすごいなぁ、漫画の試合が現実になるなんてファンタジー」
夢の対決再現:『覆面ワールドリーグ戦・決勝戦』
ミル・マスカラス(シマウマヴァージョン)&タイガーマスク(4代目あるいは初代佐山あるいは・・・)
VS
ライオン丸(中西あるいは永田)&メカマミー(ユニオン所属)
友「ところでこの「ドラゴ・マニア」ってどういう意味なの?」
千「メキシコじゃ龍のことドラゴっていうのかなぁ」
鮫「そりゃないと思うよ。
ドラゴンってヨーロッパ圏のものだと思うからラテンアメリカの文化では存在するかどうか。
これも分布域からするとメキシコにシマウマがいる以上に変。
まあ、レッスル・マニアをぱくった程度のネーミングなんだろうけど」
千「会場にはあの『スカイハイ』が流れたっていう記述も記事にあったね」
鮫「確かにあったなあ。昔からメキシコでもあの曲はかかるのか、って疑問だったけれど。
もしかしたらあの試合、日本でのDVD発売を見込んだ演出だったのかもよ」
千「だろうなぁ。メキシコのプロレス会場でスカイハイが流れるなんて聞いたことも無い。
あれは日本限定の演出だったのでしょうかね」
鮫「どうよ?これで強引に中国偽ブランド問題につながったっしょ?
事実かどうかは、ホントにドラゴ・マニアのDVDが発売されたら確認できるはずだよん」
千「DVDがホントに発売されて予言が大当たりならそれをネタにまた一杯呑めるってもの」
鮫「おいらは予言より馬券が当たった方がいいよ」
友「鮫さんの春のG1の悲惨な結果なんて話は聴きたくもないです」
鮫「ひでえ・・・」
友「仮面貴族さんは実際は強かったんですか」
鮫「西ドイツの試合ではあのローラン・ボックに秒殺されたっていうけれど
マスカラスとボックが対戦している写真は見たことがないなあ。
もしかして誰かのでっち上げだったりして」
千「出ましたねローラン・ボック。でも今では確かめようがないしね。
ボックは初来日時に後楽園での長州戦で
マスカラスの得意技のヘッドシザース・ホイップを披露したから、
技の伝播という切り口で考えたら両者の接点はあったかも知れないね。
日本では福岡でやったタッグ戦で
仮面貴族があのスタン・ハンセンをアームロックで動けなくした、
とかいうファンタジーもあったようだけど」
鮫「ボック対御小はテレビで見たけど
ボックが御小をヘッドシザース・ホイップで振ったら
御小がもろボックの体の上に落ちちゃって、痛そうだったなあ(笑)。
マスカラスとハンセンとのやりとりは一部で『マスカラスのシュート』とか言われている試合だね。
でもあれおいらには単に腕にしがみついていただけ、にしか見えなかったけどね。
『窮鼠猫を噛む』的にね。
ハンセンが空いてる方の手で顔面ぶん殴れば終わりじゃなかったのかね?」
隣の席の人「あのぉ、みなさん、ものすごくお詳しいようですけれど、もしかして『プロレスの人』ですかぁ?」
千・鮫「はあ?」
隣の席の人「はあ、はスティーブ・オースチンですか?」
鮫「はああ?スティーブ・オースチン?八百屋の?
すいませーん、とりあえずホッピー新規で!」
千「2つ!」
友「3つ!」
(続く?)
(2007.0606)
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