視覚障害者(目の不自由な方々)のパソコン利用に関するQ&A


一口に視覚障害者(目の不自由な人々)といっても杖を持たずに外を出歩ける人や眼鏡をかければ活字の本を読める人もいます。つまり、世の中にはいろいろな視力の人たちがいるということです。
とはいえ、ここでは主に全く目が見えない人たちがどうやってパソコンを使い、インターネットなどを活用しているかについて一問一答形式で説明します。

Q1.
全然目の見えない人でもパソコンを使うことができるのでしょうか?
A1.
はい、使えますよ。たとえば私たちのように画面が見えない場合は、読み上げソフト(スクリーンリーダー)を使用すると入力した文字や画面に表示される内容を音声で聞くことができます。
また、大きい文字なら見えるという弱視の人たちは、画面に出ている内容を拡大したり、背景や文字の色を変えたりといった工夫をしています。
それから、視覚と聴覚に障害がある盲聾の人や、全盲でプログラミングをしている人などは点字ディスプレイで画面の内容を確認しています。
 ただ、画面が見えないとマウスによる操作は難しいのでキーボードでほとんどの操作をしています。これこそ本当のブラインドタッチですよね!
 キーボードの操作テクニックはあまり知られていませんが、普通の人でも覚えていると便利な機能がけっこうあるんですよ。ご興味のある方はマウスを使わないキーボードテクニックのサイトをのぞいてみてください。
  http://homepage1.nifty.com/keyboard_maniac/SpecialKT.htm


Q2.
目の見えない人たちはどんなパソコンを使っているのですか。目の不自由な人たち用の特別なパソコンがあるのでしょうか。
A2.
目の見えない人たちも普通のパソコンに読み上げソフトや拡大ソフトをインストールして使っています。Mac パソコンのユーザーも次第に増えてきましたが、Windows パソコンが主流です。


Q3.
目の見えない人たちも Windows などを使えますか?
A3.
最近は Windows 7 や Windows 8 を使っている人が多いですね。
2014年4月に Windows XP のサポートが終了しますので、Windows 7 以上のパソコンへの買い替えをおすすめしているところです。ご質問やご相談など、お気軽にどうぞ。


Q4.
実際に目の見えない人たちがパソコンを使って作業をするためにはどんなソフトを揃えたらよいのでしょうか?

A4.
まず、Windows がインストールされているパソコンが必要です。ここ最近、電気店や量販店の店頭に並んでいるパソコンには Windows がインストールされています。Microsoft Word をはじめとしたワープロソフトや Microsoft Excel のような表計算ソフトもセットで販売されていますので、こうしたものを購入されるとお得だと思います。
そのほかに、画面の内容を読み上げるソフトや拡大して表示するソフトが必要です。これらのソフトは一般のお店では扱われていません。各ソフトの製造メーカーか視覚障害者用のソフトの販売店に注文して下さい。
また、こうしたソフトは視覚障害者の日常生活用具として福祉事務所や市町村の窓口に申請すると購入金額の助成を受けられる場合もあります。
画面に表示される内容を読み上げるソフトとしては主に以下のようなものがあります。

Windows には拡大鏡の機能が標準搭載されていますが、以下のような拡大ソフトもあります。

それから、Windows のバージョンとはあまり関係ないのですがソフトによって画面が見えないと使いにくいものがあります。画面が見えなくても使えるソフトの条件は主に二つです。
1.基本的な操作がマウスだけでなくキーボードでもできること
2.読み上げソフトの音声を聞きながら画面の様子をある程度確認できること
このようなアプリケーションソフトは杉田雅之さんのサイトの 視覚障害者に利用可能と思われるWindowsソフトウェア一覧で紹介されています。

Q5.
目の不自由な人がパソコンを習いたい場合、やはり一般のパソコン教室では難しいと思うのですがどのようなところに相談したらいいでしょうか。

A5.
SPAN(視覚障害者パソコンアシストネットワーク)のパソコンサポートデータベースや、日本障害者リハビリテーション協会の 障害者IT支援データベースで、全国各地のパソコン教室やパソコンサポートボランティアグループが紹介されています。お近くのところがありましたら連絡してみてはいかがでしょうか。
最寄りの点字図書館や障害者IT支援センターへ問い合わせてみることもおすすめします

視覚障害者でパソコンをお始めになったばかりの方は 視覚障害者のWindows活用MLメーリングリストに入会されて、わからないことなどを質問なさるといいかもしれません。きっと先輩の方々が親切に教えてくださると思います。


Q6.
視覚障害者(目の不自由な人たち)のためのパソコン教材にはどのようなものがありますか。

A6.
最近はパソコン関連の点字図書や録音図書も少しずつ増えてきました。一般の人たち向けに書かれた市販の本を点訳・朗読したものと、最初から視覚障害者を対象にして作られた本があります。
前者としては、パソコンの入門書やパソコン用語集、キーボードでパソコンを操作する方法について紹介している本、Microsoft社のWordやExcelのように広く一般に普及しているソフトの使い方を解説した本などがあります。後者としては、各種の画面読み上げソフトや拡大ソフトを用いて文書の作成やeメールのやりとり・ホームページの閲覧等を行うさいの手順を説明したものがあります。
SPAN(視覚障害者パソコンアシストネットワーク)のPC教材データベースで探してみてください。
また、サピエ図書館でもパソコン関連の点字データやデイジーデータをダウンロードしたり、点字図書や録音図書の貸し出し予約をしたりできます。こちらを利用するには会員登録が必要です。
 https://www.sapie.or.jp/


Q7.
視覚障害者(目の不自由な人たち)にパソコンを教えるうえでの講師資格のようなものはありますか。

A7.
現在のところ特にありません。ほとんどの人たちは最初は視覚障害者対象のパソコン講習でアシスタントをしたり、パソコン初心者に家庭教師をしたりした後、当教室のようなところを通じて IT 講習会や訪問指導の仕事を紹介してもらっています。もちろん、一般のパソコン教室でインストラクターをしている人や、地域のパソコンサポートボランティアをしている人も多いです。

視覚障害者のためのパソコンサポート機関としては、東京の SPAN(視覚障害者パソコンアシストネットワーク)や、大阪の ボイスネットなどが有名です。これらの団体では、パソボラ(パソコンサポートボランティア)の活動に関心をお持ちの方々を対象にしたサポート講習会も開いていますので、ご興味がありましたら調べてみてください。

また、日本障害者リハビリテーション協会でもパソコンボランティア指導者養成研修会を開いています。視覚障害や聴覚障害をはじめ、肢体不自由、発達障害、精神障害等、さまざまな障害者に対応したパソコンサポートについての概要を学習できます。


Q8.
今度、目の不自由な人たちを対象にした IT 講習会で講師をすることになりました。目の不自由な人にパソコンの使い方を教えるさいに知っておいた方がいいことや気をつけるべき点について教えてください。

A8.
例えば、目の見えるボランティアの方などは、目の不自由な人がパソコンのキーをゆっくり探していると、思わず手をとって「ここです」と教えたくなるそうです。しかし、見えなくてもキーの位置関係が分かるようにできるだけ言葉で説明することは大切だと思います。
まず、キー入力するさいに基準となる「F」と「J」の位置を教えます。そのあと、「V」は「F」の右斜め下のキーで、「V」の右隣のキーが「B」というふうに順番に説明していきます。
そして、使用頻度の高い Windowsキー、Ctrlキー、Altキー、Tabキーなどには、触ってわかるように点字のシールを貼ることをおすすめします。
Windowsキーは「す」(スタートボタンと同じだから)、Ctrlキーは「こ」、Altキーは「お」のように、シールには1文字だけ書くことが多いです。そのさい、点字のアルファベットを知っている人ばかりとは限りませんので、できるだけ仮名にした方がいいと思います。


Q9.
近頃はホームページの作りもさまざまですが、読み上げソフトの音声だけでも内容がわかりやすいページについて教えてください。

A9.
バリアフリーWebデザインガイドで具体的に解説されています。
 http://bfree.purewell.net/
当サイトの「視覚障害者にやさしいホームページを」もご覧いただければ幸いです。
当サイトのリンク集に載っているサイトもわかりやすいところばかりです。