ビンタン島からの手紙


 元気ですか。
 今年はビンタン島へいってきました。

シンガポールからフェリーで45分という、開発中のインドネシアの小さな島です。

 3日目に、ビンタン島の人々の居住する、タンジュン・ウバンという小さな町ヘ出かけて、人々の生活を垣間見てきましたが、人々は、私達外国人を珍しがり、恐れているようにも見え、じろじろと遠くから眺めているだけで、寄ってこようとはしません。

そう、私達は外国人なんです。

市場では、色々な種類の魚や果物が並べられ、鶏も次に首を切られるのは誰かと待っています。

冷蔵庫が普及していないので、鮮度は少々悪く、採取日にも無頓着なので、何も買う気になれませんでした。

しかし、島北部のリゾート地区が充実してくるに従って、全てが急速に変わるだろうと思われます。

今は、道路も一部舗装されているだけで、北部のリゾート地区とは隔離されているようで、現地の人々が北部へ行くには、いわゆる検問所を通らなければならないようになっています。

私達旅行者は自由に行き来できるのに、島の住人が、自分の島なのにか勝手に行き来できないとは妙な話です。

しかし労働より、どう見てもおしゃべりが好きな工事従事者には、完成予定日があっても、ないのが同然です。

 ホテルでは、毎日同じような事をして過ごしていました。

7時に起き、子供達と5人で朝食。まずはトロピカルフルーツのジュースを何杯か飲み、和、洋、中何でも好きなものを2皿ほど、果物にヨーグルト、そしてバリ珈琲を飲んで、一日のスタートです。

子供達もそれぞれ気に入った料理を見つけ、楽しんでました。

特に長男は味噌汁が気に入り、冷淡にも、私の作るものより美味しいと言って、毎朝のように飲んでいました。

時には、ごはん(長粒米です)に日本のふりかけをかけて食べたりもしていました。

 その後、夫と長男と私はパワーウオークに参加。

45分くらい村のまわりを早足で散歩します。

その間に、次男と娘はキッズクラブという、いわゆる託児所に行き、他の国々の子供達と共に色々な事をして遊びます。

アーチェリー、テニス、バスケットボール、空中ブランコ、海、プール、ゲームなど、教えてもらいながら楽しみます。

今回は、日本人のスタッフがいなかったものの、十分エンジョイ出来たようで、子供たちの順応性を再認識しました。

一度、5時半に、シャワーを浴びるために部屋に帰ってきますが、また7時にはキッズクラブに参加し、9時半まで遊んできます。

そんなわけで、子供の世話から解放され、家族5人で食事をとるのも朝だけです。

 パワーウオークの後、私は9時半から10時半にテニスのレッスンを受け、その後お昼までアーチェリーをします。

夫と長男は、9時半からアーチェリーのレッスンを受け、10時半になると、長男がテニスのレッスンにきます。

テニスのレッスンは、3つにレベル分けがしてあり、自分で選んで参加します。

長男は11時半にテニスのレッスンが終わると、プールへ行き、日替わりイベントに参加します。

ある日は水球であったり、また競泳であったり、カヤックであったりと、色々です。

色々な国からの人たちと一緒に遊んだり、ゲームをしたり、踊ったりと、いつも浮かれ騒いでいられるのは、日本での様々なストレスから解放されているからでしょう。

 お昼にレストランで合流し、3人で昼食をとります。

メインデイッシュを3皿ほどとビール、更に果物とケーキの後、アイスクリームを3スクープ。

ぺロリと入ってしまうから不思議です。

そう、太ることも気にしないでいられるなんて最高です。

 昼食後は海でゆったりと過ごします。

ただこの季節、季節風の影響で波が荒く、海で泳ぐのは危険なので、スノーケリングもできず、とても残念でした。

しかし海も眺めもとてもすばらしく、砂の細かい粒子は、白いこともあり、綺麗です。

波がおさまる4月以降に出かけると良いのかもしれません。

 3時半までプールで過ごし、私は4時半ごろまでスカッシュをし、夫はアーチェリーに、長男は4時から6時の空中ブランコのレッスンにと、それぞれの好みとペースで動きます。

長男の空中ブランコは、今回の旅行の目的の一つでもあり、次々と新しい技に挑戦し、練習していました。

 その後、家族5人、部屋で合流し、シャワーを浴びさっぱりして、7時に子供2人はレストランで再びキッズクラブに入ります。

大人は、7時半から夕食です。

メインレストランの他に中華とイタリアンレストランもあり、それぞれコースメニューをとることもできます。

また、珍しい料理もあり、私はここで初めてワニとかカンガルーやダチョウ、ほろほろ鳥、うさぎ、鹿の肉などローストや蒸し煮にされたたものを食べました。

もう完全に胃が大きくなっているのがわかり、どれだけでも入っていきます。

夕食が終わると、長男はバーに備えられているピアノに向かいます。

独学であるにもかかわらず、色々な人が足を止め、曲を口ずさみ、連弾したりもしていました。

 9時半には、劇場で子供達と共に、毎日色々なショーを見たり、時には参加したりして11時近くまで楽しみます。

私達の一日はここまでで、あとは部屋に帰り、シャワーを浴び、バタンキュウと眠りに落ちます。

 すばらしく健康的でリラックスした生活リズムができかかってきた時に、私達のバカンスは終わりになりました。

1ヶ月くらいこんな生活がしてみたいと思いますが、しかしこの運動量がすばらしい食事を促進し、2.5kgも太って帰ってきました。

長男に至っては5kgも太ったと言っています。

毎食後ケーキを3個、アイスクリームを2つも食べていれば当然かもしれません。

 旅行の最終日はシンガポールの観光とショッピングです。

中華街を歩き回り、マーライオンパーク見物もしました。

ごみの投げ捨ては罰金が課せられる美しい都市だと聞いていたのですが実体は少し違いました。

ただ、高級品店街であるオーチャードロードは歩いてないし、たった1日過ごしただけでは大して分かるものではありません。

しかし、高層ビルは立ち並び、夕方の交通渋滞はまるで東京のようです。

プリクラや日本のゲーム機も溢れています。

子供達は磁石で引っ張られるかのように、ゲームセンターに入っていくのを見ると、ここは何処かしらと思ってしまいます。

 東京のような都会であるシンガポールに住む人たちの週末のリフレッシュ用に、ビンタン島の開発は、インドネシアとシンガポールの共同開発により進められています。

農耕に適さない赤い土のビンタン島のジャングルに飛行場が建設されるかも知れません。

そうしたら、素朴なビンタン島を知っていることを自慢に思い、また出かけたくなるでしょう。

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