No.9
「レスリング・チャンピオン日本の虎」遠藤幸吉氏の出演映画を発見
2003年5月ごろ宝島社の「VOW変な新聞」という本を眺めていたら
ある古い日本映画の広告が目に付いた。
「レスリング・チャンピオン日本の虎」
という力強いタイトル。
プロレスの映画か?
「阿修羅のハンマー投げ!」
わくわくするような(別の意味で)コピー。
そしてレスラーらしき人物がダブルリスト・アームロックV1アームロックを決めている写真が
大きく紙面を飾っている。
(これは・・・誰だ?)
どこかで見た日本人レスラーの顔。
キャストにも名前が載っていた。
遠藤幸吉。
日本のプロレスの祖、力道山のタッグ・パートナーで創世期の功労者である柔道出身の・・・
というよりは自分の中では「ワールドプロレスリング」初期の迷?解説者という印象のほうが強いお方である(笑)。
その勘違いの多いキャラクターは門茂男氏の著書の中でもパワー全開で。
流血タキシード事件。
オスメス事件。
そして「ワールドプロレスリング」放送内での「控え室シン、上田殴打事件」。
いずれも爆笑もののエピソードだ。
その遠藤さんが単独で映画出演?
これは是が非でも調べる必要がある!
自分はそう決め込んで調査を開始した。
今はネットという便利なものがある。
映画に詳しい友人が「キネマ旬報 全映画作品データベース」というサイトを教えてくれた。
検索したデータから引用すると
1954年、新東宝の作品。
1954年というと昭和29年、ちょうど力道山とシャープ兄弟が初の国際大試合を行って
日本全国にプロレスブームが沸き起こった時代だ。
新東宝という映画会社は現代は映画制作から撤退して社名変更もしているのだが
この映画以外にもこの年「力道山の鉄腕巨人」なども製作している。
この映画にも、遠藤さん出演しているようだ。
同サイトの解説によると「小説倶楽部に掲載された大林清の原作より阿木翁助が潤色」とある。
原作まであるとは・・・。
ストーリーは柔道の強豪である兄弟の、挫折とその後の成功の物語であるようだ。
兄が重傷を負った弟の入院費を稼ぐために柔道対レスリングの試合に出場して賞金を獲得する、
というくだりがある(昭和29年の異種格闘技戦映画!)。
遠藤さんの役どころは兄の友人ということだそうだ。
まあ脇役ですかね。
映像も調べてみたかったがソフトにはなっていないようで、
どこかの映画館での企画ものでかかってくれればという淡い期待を抱くしかなかった。
他のキャストを見てみると
二本柳寛、中山昭二、宇津井健、沼田曜一、藤間紫・・・。
ん?宇津井健はともかく、中山昭二は・・・・。
「ウルトラセブン」でウルトラ警備隊の隊長やってた俳優さんだ!
キリヤマ隊長の役!
うーん、遠藤さんとキリヤマ隊長が絡むと面白そうだなあ・・・。
だんだん妄想が膨らんできた・・・。
(2003・0622)
筆者の妄想の続きを読みたい人はこちら
追記:「キネマ旬報 全映画作品データベース」によると遠藤幸吉氏の出演映画は以下の4本。
鉄腕巨人(54新東宝)
日本の虎(54新東宝)
魔子恐るべし(54東宝)
大学は出たけれど(55松竹)
映画とプロレスラーに戻る
SAMEDASU扉に戻る