No.396 全日本プロレス「2009ファン感謝デー」船木vs菊タロー、下田美馬参戦のF4提供マッチなど盛り沢山。
全日本プロレス
「2009ファン感謝デー」
2009年12月13日 東京・後楽園ホール
同行者=千里眼
【第1試合・船木vs菊タロー】
この日は半分ぐらいコレを見に来たようなモノ。
試合前VTRでは菊タロー逃げ腰の発言、
船木は「少しでもヘンなことやりそうだったら、殺ります」と宣言。
先に船木が入場。
菊タロー入場、この曲は…
「ラスト・オブ・モヒカン」グレイシーの方々の入場曲!
入ってきた菊タローは黒いフードにセコンドの肩に手を置くグレイシートレイン。
もう充分船木を挑発してるじゃん!
試合スタート、って菊タローの構えが手を前に出すヒクソンのスタイル(笑)!
ご丁寧に「ドン」とばかりの足踏みまでやってるし(笑)。よく研究してるな。
ってか「コロシアム2000」見てないとわかんないかも知れないぞー(笑)。
この挑発に船木怒ったか、強烈なローキック、菊タロー1発でダウン!
菊タロー、カウント7で立ち上がるが、船木さらにもう一度強烈なロー。
手四つから船木フインガーロック、痛がる菊タロー。
ロープワーク、伏せる船木の頭をふんづける菊タロー。
さらにロープに飛んでエルボー。
フォールを狙うが、村山大値レフェリーを挑発したため蹴りを食らう。「久しぶりやな〜」菊。
船木キック連発。菊タロー「こりゃかなわん」とばかりにリング下にエスケープ、試合放棄か?
すると花道奥から和田京平レフェリーが登場してリングに戻れとばかりに通せんぼ。
セコンドに引き戻されてリングに入れられる菊タロー。
菊タロー、猫だましからのタックルを仕掛けるが船木にグラウンドコントロールされマウントポジション。
さらに伝説のジョー・ステッカーのような栓抜き式のボディシザース。
そこから腕ひしぎ逆十字、三角絞め、菊タローやっとロープブレイク。
客席からの声に菊タロー「じゃあやってみればいいだろ!」と逆ギレ。
菊タロー、船木をコーナーに押し込んで足を取ろうとするが、逆にネックロックをかけられて苦しむ。
菊タロー、サミング。さらにブルドッキングヘッドロックの構えだがすっぽ抜け。
チョップ合戦、菊タロー「あ!」と客席を指差し、船木がそっちの方向を向いたスキにパンチ。
さらにDDT、長い長い前口上からのブレンバスター、しかし船木に逆にブレンバスターで投げられる。
船木チョップ、菊タロー再び「あ!」やるも通じず、張り手を食らう。
菊タロー怒って上着を脱いで船木に向かうが、レフェリーに「やめとけやめとけ」と制止される。
「お前の方がキャリアは長いかも知れないがなあ、プロレスは俺の方が長くやってるんだよ!」と怒る菊タロー。
しかしそこに船木、浴びせ蹴り。さらに三角絞めを決めるとこれでギブアップ勝ち。
船木、さらに菊タローの覆面をはがそうとするが、途中でやめて退場。
菊タローはしばらく伸びていたが、しんどそうに帰る。
両者の持ち味がよく出た面白い試合。
船木は終始シリアスに徹し、笑い顔を見せなかったので試合が締まった。
しかしながらブレンバスター返し、「あ!」っち向いてホイ・パンチ
(むかしプロボクシングの輪島功一もこれに近い作戦やったハナシしていた)
などにお付き合いして笑いも取りながらの展開。
旬の男、船木は今なら誰とやっても面白い試合ができるだろう。
【第2試合・F4提供マッチ】
全日本プロレスのリングに元全・下田美馬が参戦!
馬場が社長の時代には考えられんな。
下田美馬は小島の呼びかけにピンクのドレスで登場。
たちまち場内が華やかになる。
ん…でも下田、足見せないな…。
アラフォーだから仕方ないか。
握手しようとすると若手側がゴング前に奇襲。
小島逆襲、ダブルのラリアート、下田にタッチ。
キック、サミング、エルボー。
髪の毛を持ってのフライングメイヤー。
小島に代わると、小島も髪の毛メイヤー。
KAI「禿げたらどうするんだ」と抗議。
小島、ロープに振って正面からのクロスチョップ、シャチ横内、清美川、上田馬之助らがやるスタイル。
ってか全女流。
小島がフォールするとKAIがブリッジで逃れる、これも全女スタイル?
下田に代わるとKAIボディスラム、チンロックをやると下田噛み付き。
さらにKAIキャメルクラッチから下田の鼻の穴と口に指をつっこむ攻撃、レフェリー「顔はやめろ顔は」。
KAIエルボー、大和キック、下田をコーナーに振ってスピアー、カウント2。
下田キックで反撃、スイング式ヘッドシザースホイップを仕掛けて脱出、小島にタッチ。
小島、KAIにコーナーでマシンガンチョップ、エルボー。カウント2。
KAI、ロープを使った延髄斬り。
小島、カッターで逆襲から「いっちゃうぞー!」
ブレンバスターを仕掛けた小島、サポーターをはずして投げる!ラリアート爆発○秒前!
しかし、ここで下田がまさかまさかのタッチ要求!(笑)
「え、ええー?」って感じだが不本意ながら小島、下田にタッチ。
二人は年齢は同じだがプロレスキャリアでは下田の方が4年ぐらい先輩なもんで
―試合前のVTRでも小島が「僕がプロレス界に入る前からの憧れの存在」と下田を呼んでいた―
三冠王者逆らえず!(笑)
しかし大和に交代、二人がかりでキック、大和ジャイアントスイング。
下田を回す、軽量の女子だからすいすい回る。
20回?30回?回した後、大和がふらふら。
そこに小島が突っ込んできてラリアート!大和ぶっ飛ぶ。
すかさず下田がラ・マヒストラルを決めカウント3。
アラフォー男女混合タッグが勝利。
コーナー上で勝ち誇る下田。まるで若手に「まだまだね」と言ってるよう。
帰りは4人全員仲良く同じ花道から帰る。さすがF4提供マッチ。
やっぱりポイントは下田美馬の一挙手一投足で、
こういうちょっとバランスが崩れたタッグマッチというのは時々当たりが出るもんだ。
ただ足は見せてもらいたかったな、まあアラフォーだから勘弁なのかも知れませんが。
【第3試合・チャーシューロープマッチ】
試合前VTRによるとカズ・ハヤシは知られざる「縄師」ロープマッチの名人らしい。
VM時代の諏訪魔、ヘイトにロープマッチで完勝しており練度高そう。
諏訪魔戦、ヘイト戦は「ブードゥーロープマッチ」として行われたがこの日の相手は浜、ってことで
試合は「チャーシューロープマッチ」と命名された。
そりゃ確かにチャーシューってのは豚肉を紐で結んで煮込むんですがね。
もう始まる前から浜がチャーシューよろしくがんじがらめになることが予想されるような名前。
しっかしジュニアのカズとスーパーヘビー級の浜では体重差何と120キロ!
さてどうなるか。
*リング四方のロープと混同するのを避けるため、両者の左手に装着されたロープは以後「縄」と呼称します。
先に浜が入場、左手首に縄を装着。
カズ入場、縄をつけないまま振りまわし叩きつけ浜に痛い思いをさせる。
試合開始、お互い慎重に縄を手繰り寄せるが、体重ではるかに勝る浜が有利?
しかしカズ、後ろに回り込んで縄で浜の左腕を固定するなどうまい動き。
しかし浜も縄を引っ張って自分の体にぶつける頭脳プレイ。
どうやら「いかに縄をうまく使うか」がネタって感じ。
カズ、ドロップキックで浜を場外に落として縄を鉄柱に絡めて引っ張り合い。
浜がパワーに任せて引っ張り、カズを鉄柱に叩きつける。
さらに浜、場外フェンスにカズを叩きつける攻撃。
カズ、逆に縄を使って浜を鉄柱に叩きつけると先にリングイン。
しっかもトップロープ越しにリングインしたため浜がリングに戻りにくいポジション。
場外カウントが進む、浜リングアウト負けか?
しかし浜、必死にトップロープ越しにダイブしてぎりぎり生還、しかしカズが押さえこみ、カウント2。
浜、突っ張りでカズをコーナーに押し込んでネックロックからスイングバスター。
ヒップアタックは失敗、5分経過。
浜、ボトムロープに縄を引っかけてカズをコーナーに固定、自分の頭を指して
「ここが違うんだよ」コーナーにダッシュしてヒップアタック。
さらにDDTの体勢、しかし浜、ここで縄がボトムロープに引っ掛かったまんまなのに気がつく。
浜、「しょうがねえなあ」って感じでわざわざボトムロープをくぐって引っ掛かりを直そうとする。
(ロープマッチやチェーンマッチは場外やコーナーを使う時、
必ず元来た道で戻らないとロープ、あるいはチェーンが引っ掛かるので配慮が必要)
そこにカズドロップキック。縄を巻きつけて倒す。縄でひっぱたく。
しかし浜、反撃、コーナーへの体当たりからDDT、カウント2。
そしてとどめとばかりに重爆エルボードロップ。しかしカズカウント2。
カズ、縄を使って浜を亀甲縛りでぐるぐる巻き。
さらに股にも縄を通していじめる。
客席から「カズ、子供も見てるんだぞ!」の声(笑)。お子様にはいい社会勉強になったか。
カズ、肩掛けさえもずらしがんじがらめで動けなくなった浜を難なく横入り式エビ固めでピンフォール。
見事賞品の「チャーシュー1年分」ゲット。
プレゼンテーターから「チャーシュー1年分」のボードを受け取ると、
身動きできない浜を真ん中にして記念撮影(笑)。浜屈辱。
素早い動きと縄のテクニックに長けたカズが圧勝。
「縄師」たるカズの才能を垣間見た。
今度は「花と蛇」で杉本綾と共演してもらいたいもんだ。
【第4試合・六本木「hitomi」デート権争奪・婚活3WAYマッチ】
先にフォール、ギブアップを取った選手の勝ち、会場の投票から1票くじ引き。
勝者は投票者と、和田京平レフェリーが経営する六本木「hitomi」にてデートする権利が与えられる。
投票者が男性だった場合、その男性が独身女性を連れてくる、ということ。
3人が入場すると近藤がマイク。
近藤「おいじじい(渕)、本気か、本気で(結婚)したいのか?お前だけには絶対勝たせねえ」。
すると西村が「わたくしにもしゃべらせて下さい」とばかりに近藤からマイクを受け取る。
西村「え〜、1971年、東京都文京区で生を受けましたこの私西村修、%E8%A5%BF%E6%9D%91%E4%BF%AE…
人類60億人の中から一人だけ%E8%A5%BF%E6%9D%91%E4%BF%AE私もここまで一度も出会いがなかったわけではありません、
六本木の%E8%A5%BF%E6%9D%91%E4%BF%AE……」長いマイク。
あまりにも長いので近藤と渕はコーナーで座って休む。
西村「渕さん、どうですか、本気ですか」などと渕をあおる。
渕がマイクをもってしゃべろうとした瞬間、近藤が突進!タックルで渕をふっ飛ばししゃべらせない。
西村と近藤がリングでグランド、場外に落ちた渕はまだTシャツ着たまま。
ようやく渕がリングインしてマイクでしゃべろうとすると、今度は西村が突進!
またしても渕を場外に落としてしゃべらせない(笑)。
試合は再び西村と近藤。近藤がヘッドシザース、西村倒立。
この間に渕が入ってマイクでしゃべろうとするが、今度はマイクのスイッチがうまく入らない!
渕、もたつく間に再び近藤が突進!またしても渕を場外に落とす。
渕、あったまに来たか帰る姿勢(笑)。場内のフッチーコールで何とか戻る。コーナー上に上がるが西村に気づかれ降りる。
西村が近藤に4の字。すると渕が太いゴム持ち出して4の字中の2人をひっぱたく。
さらに渕、2人に連続でボディスラム。だが疲れてコーナーでへたり込む。
近藤、西村にエルボー、ロープワークから西村が近藤をスリーパーで捕獲、コブラツイストに移行。
そこからもつれた2人は落ちて場外乱闘、カウントが進む、両者リングアウトなら渕の勝ち?
あわててリングに戻る2人。渕、近藤にバックドロップを仕掛けようとするが近藤エルボーで阻止。
近藤、渕にボディスラムからニアフォール、西村がストンピング、カウント2で阻止。
ここで立ちあがった渕が西村に首固め、これが決まって渕の勝利。
リングアナが投票箱を持ってくる。
「(投票用紙)入ってるの?」「すこーし、いやたくさん入ってます」
で開票すると、当選者は男性(笑)。リングインすると渕より大きい。
「相手、連れてきます」と渕と握手。
3WAY戦ならではのドタバタ鬼ごっこ、しかし試合らしい動きというか技は殆ど西村と近藤がやっていて渕は割と蚊帳の外。
渕にマイクで結婚に対する決意をしゃべらせない、というコンセプトは面白かった。
西村もこういうヘンな試合なのにオーソドックスな技しか出さない、っていう使い方(笑)ならまだまだ充分鑑賞の余地あり。
【第5試合・F-1タッグ選手権】
まずは菊タロー、じゃなかった菊サン・ハンセンがテンガロンハットで入場。曲も「サンライズ」(笑)。
ロープワークを披露してロングホーンで「ウイーッ!」
続いて越中&ケンコバ入場、鉢巻き姿。
神奈月は井上陽水の「MAKE UP SHADOW」を歌いながら入場。陽水のアフロとサングラス付き。
武藤も同じスタイルで入場。
神奈月、「越中さん、お元気ですか〜」と陽水の口調。
菊サン・ハンセンのコミッショナー宣言からベルト返還。
菊がわざわざ重そうにベルトを持つんだけど、ハンセンなら重そうに持たないんじゃないか?と突っ込み。
「青コーナー、2人とも越中詩郎ー」「赤コーナー、2人とも武藤敬司ー」とコールされて試合開始。
越中組「やってやるって!」と気合い。武藤と越中でスタート。
越中早くもヒップアタック、武藤ドラゴンスクリューからシャイニングウイザード、
しかし越中両手でブロック。展開が早い。
武藤とケンコバが対峙、ケンコバチョップを打つが武藤胸板で受け平然。
越中パワーボムの体勢で神奈月を持ち上げるが未遂。
神奈月「アンタ空気読めよ!あーびっくりした」。
神奈月、越中にケツネタ要求、黄色い帽子を被ってタイツをずらし
クレヨンしんちゃんのネタ「おけつ星人、おけつ星人」とやってみせ越中にも要求。
越中、初めは抵抗したが「やってやるよ!」って黄色い帽子被って「おけつ星人、おけつ星人、おけつプリプリ」。
神奈月、次なる要求。タイツに割り箸を挟んでケツの力で折る。これをやってみせる。そして越中にも要求。
越中、「やってやるよ!」白袴をずり下げると何と赤フン!
「ま〜随分きれいなおしりしてはりますなあ」とか言われる越中。
しかし割り箸折りは失敗(笑)。
「ホントにケツ強いんか」と突っ込まれる。
ここでケンコバ登場して、モノマネ合戦になる。
ケンコバ「田上明のパンフの写真」
神奈月「木戸修」
ケンコバ「石川敬士の相撲タックルSWSヴァージョンと全日本ヴァージョン」
で次に安田忠夫と馳浩のネタやろう、ってところでケンコバが蹴り入れて乱戦。
越中とケンコバ、神奈月にダブルのヒップアタック。
しかし神奈月、ケンコバに足4の字、そこに武藤が高速エルボー。
神奈月、ケンコバにシャイニングウイザードを決め押さえこみカウント3。
最後は仲良く記念撮影。
F-1のFはフェイクだそう。
「プロレスとお笑いの融合」がコンセプトだそうだが、試合を止めてお笑いのネタをやるのはいかがなものか。
お笑いの人たちが出るのはいいけど試合はちゃんとしてもらいたいなあ。
まあその辺は人好き好きってことで。
【第6試合・メインエベント】
途中諏訪魔と河野が熱くなって乱闘まがいの動きを見せるも
最後は諏訪魔のラストライドで決着。
普通パワーボムからだとエビ固めみたいな体勢を取る選手が多いが、
諏訪魔のテーズ・フォールみたいなちゃんと体重を乗せての抑え込みは説得力あった。
締めの試合をフツーにやるってのはいいポリシーだと思う。
異次元マッチ、ロープマッチ、3WAYマッチなど普段やらない試合をふんだんに見せられて満足。
笑う部分が多かったが、ファン感謝デーということなのでよしとしましょう。
客席も満員で熱気があり、来年も期待できそうな全日本プロレスの仕掛け。
(09.1214−19)
全日本プロレス
「2009ファン感謝デー」
2009年12月13日 東京・後楽園ホール
観衆=2100人(超満員札止め=主催者発表)
1.世紀の異次元対決(時間無制限1本勝負)
○船木誠勝(三角絞め、9:08)菊タロー●
2.F4提供マッチ(30分1本勝負)
○下田美馬、小島聡(ラ・マヒストラル、12:13)KAI、大和ヒロシ●
3.餃子の王将Presents チャーシューロープマッチ(30分1本勝負)
○カズ・ハヤシ(横入り式エビ固め、10:07)浜亮太●
*互いの左手首に長さ約4メートルのロープを固定した状態で試合を行う完全決着ルール。
4.六本木「hitomi」デート権争奪・婚活3WAYマッチ(30分1本勝負)
○渕正信(スモールパッケージホールド、10:43)西村修●、 近藤修司
5.F-1タッグ選手権試合(60分1本勝負)
○神奈月、武藤敬司(体固め、15:01)越中詩郎、ケンドーコバヤシ●
*シャイニング・ウイザード。
武藤敬司&神奈月組は8度目の防衛。
6.ALL JAPAN FUTURE(60分1本勝負)
○諏訪魔、征矢学(体固め、24:21)河野真幸、真田聖也●
*ラストライド。
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