No.141 UWF大阪球場「UWF MAY HISTORY 1ST」

UWF「UWF MAY HISTORY 1ST」
1989年5月4日 大阪球場
同行者=千里眼他友人2名
*当日会場で撮影したプリント写真が発見されたので急遽アップしました。
でも遠い写真ばかりでスマン。

GWということもあって旅行を兼ねて友人たちと新幹線で大阪へ(一人夜行バスで先行)。
伝説の試合「馬場対キニスキー」が行われた大阪球場に参戦。
薄暮の中大会が開催された。



大阪球場正面と大会のロゴの入ったボード。






大会当日の大阪球場場内。中央にリングが見える。



●宮戸対鈴木
パンフレットには中野龍雄の名前があったが体調不良の欠場で宮戸が出場。
宮戸の蹴りを中心としたスタンドと鈴木のレスリング出身らしいグランド攻撃が火花を散らした一戦。
20分過ぎの宮戸のソバットが鈴木のみぞおちに突き刺さりカウント8のダウン。
何とか立ち上がった鈴木にキックの速射砲を浴びせた宮戸のKO勝ち。

●安生洋二対マック・ローシェ
観客の「GO、マックGO!」の声援に気を良くしたか安生をロープに詰めたマックは何とラリアート!しかも安生ダウンでカウント5が数えられた。
その後もマックはダブルアーム・スープレックスを繰り出して場内を沸かせたが最後は安生がグランドでの裸締め。

●藤原対船木



船木はグリーンのタイツ、シューズ。タイツの腰には日の丸の縫い取り。
藤原の頭突き(当時のルールでは有効な攻撃だった)が相手の髪をつかんだとされ警告2−最初の警告はチョーク攻撃−で反則負けを宣せられたが場内延長コール。
再開後は藤原がバックドロップ気味の後方投げから膝十字固めでギブアップを奪う。
誤審とはいえ藤原の髪を掴んでいないというアピールと観客の延長コールに押し通されてしまった格好で試合が続行され本来ならプロレス的展開で盛り上がるはずが、Uのリングの「神」たるルールがないがしろにされたような印象があって何か釈然としなかった。
また船木の試合はこの後の東京ベイNKホールでのB.バックランド戦(コーナーポスト最上段からのドロップキックで反則負け)、横浜アリーナでの高田戦(レフェリーがファイティングポーズを取らない高田に対してダウンカウントをストップ)と彼の意思とは無関係に妙な展開に陥ることが多くなってゆく。

●山崎対高田
キック合戦から山崎がハイキックを決めて勝利。高田の項参照。

●前田対ドールマン
選手入場前にレーザー光線や花火でショーアップ。
BGMは新日本でも使用されているエマーソン、レイク&パウエルの「スコアー」(註1)。



レーザー光線。






選手の名前の花火。

前田の対戦相手の元サンボ世界選手権者クリス・ドールマン―当日のパンフレットによると

1966年、ヨーロッパ柔道選手権優勝
1969年、サンボ世界選手権優勝(ソ連)
1971年、オランダ柔道選手権優勝
1978年、サンボ全米オープン選手権優勝
1981、82年、サンボ世界選手権2位(スペイン)
1985年、サンボ世界選手権優勝(フランス)
1987年、対ジェフ・ケイプス(キュラソー諸島出身の格闘家)戦KO勝ち(オランダ)

この前田戦までのプロアマ通算成績は946勝6敗だそう(註2)。
ドールマンは上が朱色のサンボ着、黒帯を締めて青の長い下穿き、前田は通常の黒で統一されたスタイル。
試合開始、2ラウンドにドールマングラウンドで最初のチャンス。
前田のキックをうまくキャッチするとアキレス腱固めに持ち込む。
ドールマン巨体ながらグランドの動きはスムーズ、怪力で前田の足を攻め立てるシーンは圧巻。
ロープエスケープを狙う前田をリング中央に引き戻し再びアキレスで絞り上げる、前田ピンチ!
しかしここで2ラウンド終了。前田ゴングに救われる。





3ラウンド、前田ローキックから膝蹴りでラッシュ、ドールマン2ラウンドの攻防でスタミナ切れか動きが緩慢。
4ラウンド、勝負を掛けた前田がキック連発から捕獲してのキャプチュード、グランドに持ち込み膝十字固めを決めるとうつぶせになったドールマンたまらずギブアップ、前田激勝!
野外での大会独特の開放感も満喫して有明大会に続いてまたまた大満足。
試合終了後は居酒屋で飲んでホテルに一泊、大満足の大阪遠征でした。
それにしても後半3試合の対戦相手同士、見事にUWF分裂直後の三派(藤原組、Uインター、リングス)でマッチメークされているのは偶然か。

(2004.0503)

(註1)このUWF大阪球場大会のほうが曲の使用は先だったような記憶がある。記憶違いかもしれないが。
(註2)ソ連のサンビスト、クズネツォフに3敗との説東スポに有り。いずれ書こうと思ってます。

UWF「UWF MAY HISTORY 1ST」
1989(平成元)年5月4日 大阪球場
観衆2万3000人(超満員)

1.30分1本勝負
○宮戸成夫(KO、21:31)鈴木実●
*ハイキック連打。

2. 30分1本勝負
○安生洋二(裸締め、19:55)マック・ローシュ●

3.45分1本勝負
○藤原喜明(膝十字固め、15:36)船木優治●
*船木の髪の毛をつかんだという理由で一度は藤原の反則負けが宣せられたが誤審ということで続行。

4.60分1本勝負
○山崎一夫(TKO、27:54)高田延彦●
*5ノックダウン。

5.異種格闘技戦(3分12R)
○前田日明(膝十字固め、4R0:30)クリス・ドールマン●

参考:週刊ゴング5月20日増刊「格闘UWF」
「UWF MAY HISTORY 1ST」当日のパンフレット

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