No.261
衝撃 M.タイソン初のKO負け


1990(平成2)年2月11日 東京ドーム 
日本テレビ/読売新聞社/報知新聞社「世界ヘビー級タイトルマッチ」
同行者=千里眼(他にいたかもしれない)

王者マイク・タイソンが2度目の日本登場。
しかし試合前の新聞報道ではスパーリング中にパートナーにダウンを喫するなど不安な情報が飛び交う。

試合が始まるとタイソンの動きに切れがなく、ステップして飛び込もうとする矢先にダグラスの左ジャブ、ストレートを浴びる。
このダグラスの左ジャブに前進を阻まれたタイソン、有効打を全く出すことが出来ずに刻々と時間が経過する。
逆にダグラスは絶好調、左ジャブからの右ストレートが何度もタイソンの顔面にヒットする。

8回、前に出たダグラスのアゴにタイソンがタイミングのいいアッパーをヒット、
これでダグラスがダウン。タイソンはかなりしんどそうでダグラスを見つめる表情が「もう立ってくれるな」と言いたそう。
しかしダグラスが立ったところでラウンド終了、この時のレフェリーのカウントが13秒ほど経過していて
のちに「ロングカウント事件」として物議をかもす。

9回、ダウンを奪って優位に立ったタイソンが一気に勝負するかと思ったが、
再びダグラスのジャブ、ストレートが決まってタイソン足にくる。
10回、ダグラスの連打からの左ストレートでタイソンが遂にダウン!
興奮状態の場内、タイソン本能でマウスピースを拾い上げて口にくわえ、試合続行の意思を見せたが
(これは勝負を捨てないタイソンの態度にかなり驚いた)レフェリーの10カウントが数えられ、試合は終了した。
マイク・タイソンが日本で衝撃の初敗北!
とてつもなく凄いものを見た、というのが正直な感想。

前座ではデビュー2戦目の辰吉が登場、しかし1回タイ選手のアッパーで尻餅をついてダウン、苦笑い。
2回できっちりKO勝ちした辰吉だったが、この頃から既にガードの甘さを露呈していたのか?
セミ前ではマーク堀越戦で倒し倒されの名勝負を繰り広げた日本テレビ系期待の高橋ナオトが登場。
しかし前回勝利しているタイのノリの前に、ペースを握れず判定負け。終盤はダウンも喫した。

(2006.0211)

1990(平成2)年2月11日 東京ドーム 
日本テレビ/読売新聞社/報知新聞社「世界ヘビー級タイトルマッチ」
観衆5万1600人

1.4回戦
○鈴木武(KO、4R1:05)柳沢善一●

2.4回戦
○諏訪尚(KO、1R2:11)森秀樹●

3.6回戦
○細野雄一(判定)黒川三智男●

4.6回戦
○エロイ・ロハス(KO、4R1:28)ジミー・シスファイダタ●

5.10回戦
○辰吉丈一郎(KO、2R1:18)チューチャード・エアウサンパン●

6.10回戦
○ノリ・ジョッキージム(判定)高橋ナオト●

7.日本J.ミドル級タイトルマッチ10回戦
○上山仁(判定)木村文彦●
*上山が防衛。

8.WBA、WBC世界ヘビー級タイトルマッチ12回戦
○ジェームズ・バスター・ダグラス(KO、10R1:23)マイク・タイソン●
*ダグラスが王座獲得。

タイソン88年来日試合はこちら
生観戦記1990に戻る
SAMEDASU扉に戻る

web拍手 by FC2