No.209
FMW横浜スタジアム、全女魂が地雷爆破を内容で圧倒 FMW「邪道」


1992(平成4)年9月19日 横浜スタジアム
FMW
「邪道」
同行者=千里眼(他にいたかもしれない)

FMW設立3周年記念興行。プロレス初の横浜スタジアム開催。
横浜スタジアムはJR京浜東北線の駅のすぐ出た所にあって、交通の便が楽。
FMWがビッグマッチ用に使用していた川崎球場と比較すると会場もきれいだし、場内も狭くないしで横浜の方がよかったが、定着はしなかった。
今記録を見ると第1試合のタッグマッチに「クリス・ジェリコ」の名前があり驚く、もちろん試合は全然覚えていない。
思い出せるのは中牧引退試合から。
この日がデビュー何戦目だったかの中牧だったが唐突に引退試合が組まれ、しかも相手は百戦錬磨「インディーの王」たるサブゥー。
サブゥーの空中殺法を織り交ぜたラフ攻撃で試合は一方的に終わった(中牧はその後大日本、IWAジャパンなどで復活)。
ウルトラ対バルタニア星人の対決は両軍とも大きいのと小さいのが組んだチーム対決。
バルタニア星人は有名なバルタン星人そっくりだったが、種族が違うのかハサミの着脱が可。
ストリートファイト・トリプル担架デスマッチはド派手の大乱戦、Gパンに上半身裸の外国人勢に対して日本側はスーツで登場。

注目の女子対抗戦、事の起こりはFMWの土屋、前泊が全女の興行に乱入して挑戦を迫ったことによるが
FMWは協議の結果生え抜きの土屋、前泊ではなくコンバット豊田、工藤めぐみの元全女の二人を出場させることを決定。
対する全女側はブル中野と北斗晶の越境コンビ。
個人的にはバックボーンが同じ元全女の二人よりFMW生え抜きの土屋、前泊が全女のベテランにぶつかる試合の方に興味を持ったのだが。
試合はキビキビした動きの北斗と重厚な攻撃を繰り出すブルに対してFMW側は何もさせてもらえず、
フィニッシュはブルの重爆ギロチンドロップで工藤がフォール負け。
勝った北斗は「おまえら!あたしたちの試合が見たかったら全女に来な!」と観客に強烈なマイクアピール。

新日本登場時の懐かしい「サーベル・タイガー」の曲でタイガー・ジェット・シンが入場。
この年6月関が原で行われたノーピープルマッチ電流爆破でシンに破れ王座を明け渡していた大仁田の奪回戦。
両者とも被爆したが(物凄い音)最後は大仁田がサンダーファイアーパワーボムで勝利、王座奪回。
しかしながら地雷や爆破といったギミックは大音響と火花という特撮的効果、そればかりが強調され
レスラー自身のパフォーマンスが全く感じられず大味な感じがしてならなかった。
むしろ全力で肉体のパフォーマンスを繰り広げたブル中野、北斗のタッグマッチが非常に印象に残り、
爆破マッチを食ったと考える。

(2005.0612)

1992(平成4)年9月19日 横浜スタジアム
FMW 「邪道」
観衆3万人

1.30分1本勝負
○クリス・ジェリコ、K.フォール(片エビ固め、10:12)中川浩二、江崎英治●

2.30分1本勝負
○土屋恵理子、里美和、前泊よしか、松田久美子(エビ固め、19:00)小松崎浩美、中村理恵、鍋野ユキエ、小泉恵美●

3.中牧昭二引退記念試合30分1本勝負
○サブゥー(体固め、2:37)中牧昭二●

4.スペシャル・ミックスド・タッグ30分1本勝負
○ウルトラマンシート、アミーゴ・ウルトラ(波乗り固め、10:32)バルタニア星人1号、2号●

5.異種格闘技戦スペシャルマッチ3分5ラウンド
○サーマート・ルックストリー(RSC、5R2:32)上田勝次●

6.ストリートファイト・トリプル担架デスマッチ時間無制限
○H.ボウダー、ザ・グラジエーター、B.タイトン(3−0)G.パンク、R.フジ、S浅子●
1.○タイトン(失神KO、8:54)パンク●
2.○タイトン(失神KO、10:38)浅子●
3.○タイトン(失神KO、11:49)フジ●
*試合時間はランニングタイム。

7.スペシャル・エキシビジョンマッチ10分1本勝負
キラー・コワルスキー(時間切れ引き分け)ジョン・トロス

8.30分1本勝負
○ブル中野、北斗晶(体固め、13:54)C.豊田、工藤めぐみ●

9.世界マーシャルアーツタッグ選手権60分1本勝負
○T後藤、G.ベリチェフ(アルゼンチン式背骨折り、10:39)L.スピンクス、B.セオディール●
*後藤組が2度目の防衛に成功。

10.世界マーシャルアーツ選手権
ノーロープ有刺鉄線地雷爆破デスマッチ時間無制限1本勝負
○大仁田厚(片エビ固め、13:57)タイガー・ジェット・シン●
*大仁田が第9代王者になる。

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