No.74
宙に舞うペンライトの群れ!「K-1 GRAND PRIX’94」

「K-1 GRAND PRIX’94 」
1994(平成6)年4月30日 東京・国立代々木第一体育館
同行者=千里眼(他1名いたかも知れない)

準決勝第1試合まではノックアウトの山でいったい今年はどうなるんだろうと思っていたら、
準決勝第2試合での佐竹-シカティックの不可解な判定(佐竹の判定勝ち)。
佐竹はポイントゼロかと思うが。決勝の佐竹-アーツ戦はアーツの判定勝ち。
結局トーナメントが進むほどにボルテージが下がったため昨年第一回大会の破天荒な面白さを越えられなかったと思う。
それにしてもペンライトは失敗でしたね。

(追記)
アンディ・フグがほぼノーマークのパトリック・スミスの奇襲
(いきなり「掟破りの逆」カカト落とし) からの顔面パンチに1ラウンド0分19秒でKO負けしたのは驚いた。
絶対フグ中心の大会だと思ったんだが。
でも最後は両者の間に止めに入った猪狩レフェリーの足がフグの顔面にヒットしてるな。
アーツの1回戦も1R先にダウンしたアーツはレフェリーのカウントミス
(カウント5で負けのルールなのに5以上数えた、誰も指摘せず筆者も後になって雑誌の指摘でわかった)
に救われてKO負けを免れ、逆転勝ち。
K-1におけるアーツ王朝の快進撃はミスジャッジから始まったといっても過言ではない。
ここでアーツが消えたら佐竹の優勝も考えられそうなものだったが、運命の女神はアーツに微笑んだというところか。

「ペンライト」というのは試合前に入場口で観客一人一人に配られていたもので
中に発光する液体が入っている簡単なつくりのもの。
開会宣言のとき石井館長の合図と共にいっせいに点灯されたのだが、2階席の誰かがそれを放り投げた。
光るものが飛んでゆく軌跡を見た会場全体の客がそれをまねて一斉にペンライトを投げ出した!
じゃんじゃん光るペンライトが降ってくる。異様な美しさ、投げれば自分も参加できるという群集心理、
場内はパニック状態になった。しかし細長いペンライトが下の席の客の目でも直撃したら失明の危険もある。
石井館長が場内アナウンスで必死に制止し、係員がすばやく場内を回ってまだ客が持っているペンライトを回収して事は収まった。
まあ企画した時点はペンライトを投げるとは誰も予想しなかったのだろう、K-1の魔物はリング上だけの存在ではなかった。

(1994・0430の日記を元に再構成、追記は2003・0722)

正道会館
「LIVE UFO’94 SPORTS SPECIAL
K-1 GRAND PRIX’94
10万ドル争奪格闘技世界最強トーナメント」
1994(平成6)年4月30日 東京・国立代々木第一体育館
観衆1万1000人(超満員)=主催者発表

1.エキシビションマッチ(総合格闘技ルール3分2R)
○平直行(アキレス腱固め、2R0:27)山崎浩二●

2.トーナメント1回戦(3分3R)
○P.アーツ(KO、3R1:10)ロブ・ファン・エスドング●
*右ハイキック。

3.トーナメント1回戦(3分3R)
○パトリック・スミス(KO、1R0:19)A.フグ●
*右アッパー、2ノックダウン。

4.トーナメント1回戦(3分3R)
○佐竹雅昭(TKO、3R0:34)マイケル・トンプソン●
*佐竹の膝蹴りでトンプソン額から出血、ドクターストップ。

5.トーナメント1回戦(3分3R)
○B.シカティック(KO、2R0:16)アンドレ・マナート●
*右フック。

6.女子スペシャルマッチ(2分5R)
○ルシア・ライカ(判定、3−0)サンドラ・ミッシェル・ムーア●

7.トーナメント準決勝(3分3R)
○P.アーツ(KO、1R1:03)P.スミス●
*右ストレート。

8.トーナメント準決勝(3分3R)
○佐竹雅昭(判定、2-0)B.シカティック●

9.スペシャルワンマッチ(3分5R)
○I.ヒポリット(判定、3-0)吉鷹弘●

10.トーナメント決勝戦(3分3R・決勝のみダウンカウント10)
○P.アーツ(判定、3-0)佐竹雅昭●
*アーツが初優勝。


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