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監督・撮影・編集:西尾孔志
音楽:小林祥夫
出演:小島祥子、和田純司、鼓 美佳、渡辺大介、中村哲也、三嶋幸恵、宇野祥平
上映時間:100分
08年7月9日、渋谷ユーロスペースで「狂気の海」とのカップリング上映で見る。
「狂気の海」を見た後出ようと思ってたらタイミングを逸してしまって、つい見てしまう。
ある街で不発弾が撤去されるが、その直後街では人々が理由もなく殺しあい始める、というストーリーが
両親が自殺した姉妹(妹の方が病んでいて病院通い)と、
予備校の講師を仕事とする夫と若い男と不倫している妻、この別々な二軸で進んでゆく展開。
予備校の講師は妻と不倫している若い男を押入れの中で隠れて観察し、刺し殺す。
そして妻と死体を捨てる旅行に出発する。
警察が調査を始めると、この近くで戦前催眠術の研究所があったという事実が明らかになる。
不発弾と共に研究と共に封印されていた何かが掘り起こされ、それに感染して民衆は狂気に落ちたのか。
娘を殺された刑事は包帯グルグルの頭で狂気の市民に発砲する。
最後はなぜか安易に民衆が銃を持ち戦闘を始める。
銃を抱えて走る女子高生と病んだ妹。
ヘリコプターの爆音と銃撃の音だけで戦場の雰囲気を醸し出す手法はチープだがなかなかのテクニック。
ただ登場人物がやたら多くてストーリーにぼんやり感が漂っているように感じる。それも手法といえばそうなのかも。
二つの軸になる人物達も意外に絡まない。
強烈だったシーンは以下。
1.若者の喧嘩のシーン。
4〜5人のグループは一人捕まった若者(友人は逃げ出してしまう)の瞼を瞬間接着剤で貼り付けて見えなくし、
抵抗するその若者を生きたまま井戸に投げ込んでしまう。すっごく残酷な感じを受けた。よい子は絶対マネをしないように。
2.妹が家の風呂の湯船に入っていると服を着た姉の幻が現れる。
しかし姉と認識出来るのは服装でだけで、長い髪で顔は見えない。
何だか「リング」の貞子を連想させるようでおっかない。
妹は初めから精神を病んでいたから謎の感染に犯されなかったのか。
謎は全く解明されないまま次々と登場人物が増え、レジスタンスのリーダーの女子高生、
「通うりゃんせ」を歌う看護婦(実は歌ってなかった)などが登場し
ラスト近くではバイオリンに合わせて唐突に踊る女性も。
伝播する狂気・殺意の連続。
なおこの映画は自主制作映画のようでDVDで発売されているわけでもなく(追記参照)
この7月9日の公開をもって人に見せる機会が今後ほとんどない、と監督はブログで申している。
(08.0715)
追記:10.0805
amazonでDVD売ってました。
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