「寄生獣」(実写版)生存、虐殺、恐怖、共存、友情、憎悪、悪魔、神、母、子、愛・・・

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1月2日、錦糸町で見る。
むかーし、講談社のアフタヌーンを毎回購入して読んでいた時期があったので
連載初回から読んでいました。
そのコミックが実写化するということで期待半分、不安半分という気持ちでした。

見始めた最初は、主人公・新一の髪の毛がもしゃもしゃだったり
阿部サダヲのミギーの声が思っているより高かったりで違和感を感じましたが・・・
はっきり言って、そんな感じは映画がどんどん進行するうちに忘れてしまいました。
「実写版」独特の寄生獣ワールドは素晴らしい出来でした。

「実写版」ワールドに一旦はまってしまえば、キャスト、原作との差異はそれほど気にならなくなると思います。

オープニングの産業・工場が地球を汚染させていくようなイメージ映像、
その映像に説得力を持たせるかのような音楽。

原作が原作なだけに残酷なシーンが多いのですが
そういうシーンは直接描かずに処理しています。
だから・・・あまり血なまぐさくありません。そういう出来になってます。

圧倒的な存在感を示すのは深津絵里演じる「田宮良子」。
この深津さんの演技はすごいです。
最初に登場して以来、深津さんがスクリーンに登場するだけで
体に震えが走るほどになりました。
冷酷だけど冷静で、しかしどこかに戸惑いがある
(それは、自分たちの種<寄生生物>の誕生の謎、生存の意味を解明しながら生きているからだろうと思います)。
カメラワークや音楽でいろいろ雰囲気を出していますがこれほどの存在感はすごい。

水族館で新一&ミギーと「田宮」、「島田秀雄」、「A」が合うシーンも
まるで水槽の中の魚やあざらしまで演技しているようないい出来です。

新一の恋人役の村野里美は、コミックではわざとかもしれませんが
足(ふくらはぎの辺り)がちょっと太く描かれていて日本人の女の子っていう感じが強いですが
今回演じた方は可愛いですねー、と思ったら「あまちゃん」に出てた方だったんですね。
新一が死んだ子イヌをゴミ箱に捨てるシーンで怒るところは感情が出ていてすごくよかったです。
里美、「島田」が暴れるシーンもパニック、恐怖感が出ていてこのシーンもとてもいい出来でした。

「島田」といえば、新一&ミギーが止めをさすシーンは
原作にはない仰天!の秘密兵器が発動します(前半で伏線あり)。
これにはビックリ。映画館内で思わず「おおーっ」と声が出そうでした。

先も述べたようにコミックはずっと読んでいたので大体の内容は知っているのですが、
映画版の方の知識はほとんどなく見たのどこがクライマックスになるのかわからなかったのですが
・・・原作とは細かいストーリーが変わっているということでした。

先に述べたように、原作との細かい差異はありますが(平間さんなんで関西弁?とか)
映画の評価とはあまり関係ないと思います。
素晴らしい原作コミックがあり、
その原作から新たな実写版の世界を構築することに成功しています。

ものすごくいい出来です。
そして、おいらが幸福感を味わっている理由の一つが、
この映画が、日本製作の映画だと言うことです。


そしてこの作品(原作を含めて)の舞台が、特別日本でなければならない、という理由が特にないこと。
つまり普遍性があるということ。
このまま吹き替えして世界配給しても各地で大ヒットするのではないでしょうか。
またハリウッドからリメイク製作のオファーが来るのはまちがいないのではないでしょうか。

海外での映画化権の話についてはパンフにも記載がありました。
もう・・・20年ぐらい前の話になるのでしょうか・・・
友人が「ハリウッドの映画会社が『寄生獣』の映画化権取ったってよ!」
と教えてくれたのですがその当時いろいろな資料を読みましたが
その記事は見つかりませんでした。
「でもハリウッドが注目するぐらいのネタなんだな・・・」
と思っていたら「ターミネーター2」の変形自在な殺人マシン「T-1000」が登場して
「これもろ『寄生獣』じゃん」と驚いたのを思い出します。

映画では「新一の父」はすでに死去しているという設定で登場しません。
一方、「田宮良子」が人間対の親と遭遇するシーンは・・・
母親だけでなく両親が登場します。
この辺りはパンフで解説されていたように
「母と子(の関係は特別)」という部分を強調したのではないかと思います。
また、「田宮良子」が「もう一人の主人公」なのではないかということも推測できます。

エンド・クレジットが出た後で完結編の予告で終わるのも良かったです。
完結編はバトルシーンがより多くなって・・・

・後藤、暴力団事務所で試運転
・市役所での特殊部隊による殲滅戦。
・「田宮良子(もしかしたら「田村玲子」と名乗るかもしれない)」の最期
・新一&ミギーvs後藤

などが見られるんですね、と思うと今から期待で心が躍ります。
特に、あれだけのパワーを見せつけた深津さんの「田宮」が
公園で新一&ミギー、平間ら警官と対峙するシーンは
期待を裏切らない出来になるのではないでしょうか。

映画を見て涙が出て、
映画が終わっても体の震えが止まらず、
映画館のロビーで立ちすくんだような状態になってしまい、
鏡を見たら「あらすごい顔」(笑)。
今でも映画を思い出すと体が震えます。
そのぐらいすごい出来の映画でした。
特に何度も書きますが深津絵里の「田宮良子」がスゴい出来。

別に映画の宣伝をしているわけではありませんが
少なくても原作を読んだことがある方は「絶対見た方がいいです!」
完結編が待ち遠しい・・・。

2014年日本 映画「寄生獣」製作委員会
配給:東宝
原作:岩明均「寄生獣」
監督:山崎貴
脚本:山崎貴、古沢良太
音楽:佐藤直紀
主題歌:BUMP OF CHICKEN「パレード」
出演:配役
染谷将太:泉新一(寄生生物ミギーに右手を寄生された高校生)
阿部サダヲ:ミギー(寄生生物・ミギーの声の出演)
深津絵里:「田宮良子」(新一、里美の学校に赴任してきた女性教師・寄生生物)
橋本愛:村野里美(新一のガールフレンド)
余貴美子:泉信子(新一の母親)
國村隼:平間(警察関係)
浅野忠信:後藤(寄生生物?)
北村一輝:広川剛志(市長候補、のち当選して市長)
東出昌大:「島田秀雄」(高校生の服装の寄生生物)
池内万作:「A」(警官の服装の寄生生物)


<あらすじ>人間の脳を乗っ取る、謎のパラサイト(寄生生物)が大量発生。
高校生・泉新一は彼の脳を乗っ取れないまま右手で成長してしまった寄生生物「ミギー」と共存せざるを得なくなる。
しかし、人間の脳を乗っ取ることに成功した寄生生物たちは新一とミギーを敵視し攻撃を仕掛ける。
さらに寄生生物がコロニーを形成し始めたり、教師「田宮良子」、生徒「島田修一」として学校に乗り込んでくる。
そして新一の母親も寄生生物に頭を乗っ取られ、新一を殺しに来る。

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(15.0103-04)
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