『梅田英俊の世界』ホームページ開設に寄せて(2004年1月)
20代の頃は、近親者達の享年からすると、自分も60才位までの寿命だろうなと推測していたので、年相応の順序だったやり方じゃ何も出来そうにないからその辺の常識は無視しようと考えていた。20才から60才位までを一つの袋に入れてごちゃ混ぜにゆすり、ところどころ袋を破ってその都度テーマを引っ張り出す…という感覚。でもそれだと発想が離れ離れの偶然で脈絡を欠く恐れがあるのでなるべく大きめなのをつまみ出し、2、3年と時間をかけ1テーマ100点位は作ろうと計画した。だが実際は、20代半ば良いテーマが見つかり、十分内容も練ったつもりで100点目標に始めたが、制作段階に来てから、年令不足、経験不足、故のディテール不足でたちまちストップ。14、5年後になって“嘘曼陀羅”シリーズとしてやっと出来上がった物や、陶器等は30代半ばに多量のエスキースをやりそれをベースにして40代後半に制作に入ったりするものもある。版画だって40才でスタートし、やっと一応の完了は予定より長生きさせていただいた60代半ばのつい先日だったりする。だから正直云ってどれも制作年月日が自分でも判らない事が多く、ほとんどの作品に付けられないできた。もしそれが必要なことがあればいっそ自分が死亡した時に全作品完成日と付けてもらおうかなと考えている。それでも最大誤差は50年かそこいらでたかがしれている。 |