ベジマイト


 それは、バリのレストランにさりげなく置いてありました。

   

 朝食のテーブル。ジャム・バターなどの調味料類を置くテーブルの上のカゴのなかに・・・
 手に取ってみると、チョコレート色をしてなにやらいわくありげ。
 で、一つ摘んでシールをめくり一口味見。
 ゲッゲッこれはなんだっ 予想の味から大はずれ。

 でもくじけずに、日本に帰ってから写真に写るクラフト社にインターネットで、
 「一体、あれはなんですか?」と、問い合わせました。

 で、しばらくして戴いた手紙が・・・


ベジマイトは、イースト・ベースのパンに塗る調味料です。
それは、ここ何年もオーストラリアの主要産物です。
この地球の下側(オーストラリア)からの産物の情報が、それを試してみる気になりますように。

製品の歴史は、オーストラリアのメルボルンで、バター、果物、茶、石油、小麦粉、競走馬などを扱う
起業家でもある仕出し屋のフレッド・ウォーカーの自家製として始まりました。
1923年にウォーカーは、英国のイーストからの抽出品であるマルマイトと競争することを望み、
生産を開始しました。
「ベジマイト」と呼ばれた新製品は発売開始されましたが、英国からマルマイトが輸入されなくなった
ためオーストラリア軍人の配給品に加えられることになった第二次世界大戦までそれほどすごい人気は
出ませんでした。

ウォーカーの他の関心は、プロセスチーズを全ての気候条件下でその保管特性を改良することでした。
1925年、彼が捜していたまさしくその手法が米国のJ.L.クラフトによって既に開発されていたことを知
りました。
ウォーカーは、次の年米国クラフトに会いクラフトプロセスチーズのオーストラリアでの権利を得るため
に旅行しました。
この冒険的事業は、クラフト・ウォーカーチーズカンパニーとして始まりましたが、その組織は結局
オーストラリア・クラフト食品株式会社になりました。
クラフト社がイースト・ベースのパンに塗る調味料のベジマイトの製造者になったのは、この後のことです。

今日、ベジマイトはオーストラリアとほとんど同義語です。
全てのオーストラリア人家族の90%以上が購買し常用していると見積もられています。

ベジマイトは、醸造業者と製パン業者のイースト菌のブレンドから成っています。
さらに、それに口に合い易くするために野菜からの抽出物を小さい割合で味つけされています。
ベジマイトは、普通のイーストより4、5倍濃縮されているため、ビタミンB類、タンパク質及びミネラル
を含む食品です。
それには、脂肪、コレステロール、化学防腐剤及び添加物を含みません。
ティースプーン半分の量に6カロリーを含んでいます。

ベジマイトの辛い味は、全般的なオーストラリアの食べ物の中でユニークで印象的です・・・
米国人が好む味よりも、より濃く塩辛い方向へ振られています。
ベジマイトの防腐用として使われている少量の食塩分よりも「ショッパイ感じ」の味は、全てが食塩に依
存しているわけではありません。
その原材料の醸造用イーストに固有の塩分の味があるのです。

ベジマイトを楽しむいくつかの方法は、調味料、パンに塗る、サンドイッチに挟む、暖かい飲物として等
いろいろあります。
初めて試されるときは、クラッカーかパンに少量塗ることをお勧めします。

ベジマイトは、オーストラリアクラフト社のユニークな栄養豊かな多才な、イースト・ベースのパンに塗
る調味料です。


 と、言うものでした。

 ま、オーストラリア版塩味噌というところですかネ。

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