昭和50年9月29日 東京・銀座、東急ホテル
記者会見における企画発表(声明文)



同日同所で行われた全日本プロレスの記者会見。
ジャイアント馬場が「全日本プロレス オープン選手権大会開催企画に際して」と書かれたコピーを報道陣に配布して読み上げる。

全日本プロレス オープン選手権大会開催企画に際して

新しい希望に燃えて一致団結われわれが全日本プロレスを創設してから、すでに満三年になりました。
想い起こせば、創設に当たっては我が国プロレスの開祖である故力道山先生のご遺族から全面的協力をいただき、
先生ゆかりのチャンピオン・ベルトの寄贈を受けて、PWFヘビー級選手権を設立、
さらにその後世界最大のプロレス統括組織NWAへの加盟、旧日本プロレス選手団との合流、
世界の最高峰、NWA世界ヘビー級選手権の獲得など、発展の一途をたどりましたことは、
ひとえに皆々様から寄せられましたご支援、ご指導、ご鞭撻の賜物であると厚く感謝する次第です。
激動する世情の中、プロレス事業もまた多事多難ではありますが、われわれは力道山先生の遺志を体しつつ、
日本プロレス界のリーダーとしての自覚を固め、その責任の大きさを痛感して一層の努力を誓っております。
時あたかも、NWA本部ではアメリカ合衆国建国二百年を迎えるに当たり組織の権威発揚のため、
各メンバー占有地域において記念事業を企画・開催することが決定いたしました。
また、本年十二月十五日は恩師力道山の十三回忌に当たるに鑑み、
その正当なる後継者として、私ジャイアント馬場は本年こそ世界プロレス史を飾る最大の記念行事を開催するにまさに有意義な年であると判断致しました。
この千載一遇の好機ををとらえ私のプロレス生涯における最初にして最大の行事
「全日本プロレス オープン選手権大会」を開催する決意を持つに至ったことは、皆々様にもご賛同いただけるものと信じてやみません。
この「全日本プロレス オープン選手権大会」は、NWA本部主催・管轄のもと、PWF並びに全日本プロレスが主管・実施するものとし、
外へはNWA有力メンバーの協力を得て、各地域を代表する強力レスラーの派遣を要請し、
内にはオープン選手権大会の趣旨を尊重し、NWAの認可を得て、その傘下団体のみならず、
広く門戸を開放して各団体から代表主力選手の参加を求め、広く対戦する機会を提供するものであります。

申すまでもなく、このオープン選手権大会は選び抜かれた者が正々堂々と持てる技倆で覇を競う場であります。
追って、私は各方面関係者にご協力を願い、本大会開催準備委員会(仮称)を発足させ、大会の年内実現に向かって邁進する覚悟であります。
ファン各位、関係各方面のご協力・ご支援を重ねてお願いする次第であります。

昭和五十年九月二十九日 全日本プロレスリング株式会社 代表 馬場正平







あまりにも唐突な、しかし壮大な企画の発表に静まり返る報道陣。

米沢渉外部長
「質問がありましたらどうぞ」

記者
「うーん、質問たって、たったいまこんな大きな事を聞かされて、こりゃ一晩ゆっくり考えなきゃ質問がでそうにない」


記者
「ズバリ、猪木が出場してきたら、当然対戦するのですか



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