カール・ゴッチ 3.昭和43〜44年 日本プロレス コーチ時代のエキシビジョンマッチ



昭和43〜44年、日本プロレス コーチ時代のゴッチは若手相手のエキシビジョンマッチばかりに終始。
彼がプロファイターの気持ちを持っていたらフラストレーションが溜まるばかりの時期ではなかったかと思う。
ちなみに第10回W.リーグ戦参加の外国人選手といえば、
「殺人狂」K.コワルスキー、「銀髪鬼」F.ブラッシー、「密林王」T.タイラー、「メキシコの巨象」J.オルテガら。
テクニシャンサイドに置けば、ゴッチが食い入る余地もあったと思うが。
この時期のエキシビジョンマッチは他の時期の通常の試合とは別にカウントした。
試合名などは当時の東京スポーツに記載に忠実に載せたが
「スペシャルトレーニングマッチ」「特別試合」「特別練習試合」など報道での名称はかわっても
内容的には同じものではないかと考える。今回は報道のままの名称で記載する。
また試合時間も途中から報道に記載されなくなった。

◎昭和43年・第10回W.リーグ戦
(1)4月8日
宇都宮市栃木県営体育館
▽スペシャルトレーニングマッチ15分1本勝負
K.ゴッチ(時間切れ引き分け)高千穂、安達


(2)4月10日
八戸市体育館
▽スペシャルトレーニングマッチ15分1本勝負
K.ゴッチ(時間切れ引き分け)安達、駒、林


(3)4月12日
札幌中島スポーツセンター
▽特別試合(変則タッグ)
K.ゴッチ(無勝負)平野、北沢、永源


(4)4月13日
札幌中島スポーツセンター
▽特別試合
K.ゴッチ(無勝負)柴田、藤井、安達
*この日のメインはG馬場対J.オルテガのインター選手権。


(5)4月14日
釧路市厚生年金会館
▽スペシャルトレーニングマッチ
○K.ゴッチ(足固め、9:12)平野、林、駒●


(6)4月18日
秋田市体育館
▽スペシャルトレーニングマッチ
K.ゴッチ(無勝負)永源、北沢、安達


(7)4月19日
山形市山形県体育館
▽特別練習試合
K.ゴッチ(無勝負)平野、北沢、藤井


(8)4月20日
福島市福島県体育館
▽特別練習試合
K.ゴッチ(無勝負)安達、駒、林


(9)4月21日
銚子市体育館
▽特別試合
K.ゴッチ(無勝負)柴田、平野、北沢


(10)4月22日
長野県松本市長野県体育館
▽特別練習試合
K.ゴッチ(無勝負)柴田、安達、藤井


(11)4月23日
横浜文化体育館
▽特別試合
○K.ゴッチ(エビ固め、12:04)駒、安達、北沢●


(12)4月24日
大田区体育館
▽特別試合
K.ゴッチ(無勝負)柴田、林、平野


(13)4月25日
静岡市駿府会館特設リング
▽特別練習試合
K.ゴッチ(無勝負)藤井、北沢、安達


(14)4月26日
名古屋市愛知県体育館
▽特別練習試合
K.ゴッチ(無勝負)戸口、平野、駒


(15)4月27日
伊勢市三重県体育館
▽特別試合
K.ゴッチ(無勝負)北沢、安達、藤井


(16)4月29日
石川県小松市体育館
▽特別練習試合
K.ゴッチ(無勝負)林、平野、永源


(17)4月30日
富山市体育館
▽特別練習試合
K.ゴッチ(無勝負)藤井、北沢、安達


(18)5月1日
姫路市厚生年金会館
▽特別試合
K.ゴッチ(無試合)平野、林、駒


(19)5月3日
北九州市小倉区体育館
▽特別試合
○K.ゴッチ(エビ固め、13:27)柴田、藤井、北沢●


(20)5月4日
別府市営プール特設リング
▽特別試合
K.ゴッチ(無勝負)安達、林、平野


(21)5月5日
宮崎〓神宮西苑広場特設リング
▽特別試合
K.ゴッチ(無勝負)北沢、安達、平野


(22)5月6日
鹿児島市体育館
▽特別試合
K.ゴッチ(無勝負)柴田、林、藤井


(23)5月7日
熊本市体育館
▽特別試合
K.ゴッチ(無勝負)平野、安達、柴田


(24)5月8日
福岡県九電体育館
▽特別試合
K.ゴッチ(無勝負)北沢、藤井、駒


(25)5月9日
佐世保市体育館
▽特別試合
K.ゴッチ(無勝負)安達、平野、北沢


(26)5月10日
長崎市公会堂特設リング
▽特別試合
K.ゴッチ(無勝負)林、駒、永源


(27)5月11日
山口県体育館
▽特別試合
K.ゴッチ(無勝負)藤井、安達、北沢


(28)5月12日
福山市護国神社広場特設リング
▽特別試合
K.ゴッチ(無勝負)柴田、平野、林


(29)5月13日
広島県立体育館
▽特別試合
K.ゴッチ(無勝負)北沢、永源、藤井


*5月15日、米子市湊町前広場特設リングで興行があったが試合記録発見できず。


(30)5月16日
大阪府立体育会館
▽特別試合
K.ゴッチ(無勝負)安達、永源、林
*この日のメインは馬場、猪木組対T.タイラー、F.ブラッシー組のインタータッグ選手権。


*5月17日、大阪府立体育会館で興行があったが試合記録発見できず。
*この日のメインは第10回W.リーグ戦決勝戦(馬場が優勝)。


◎サマー・シリーズ

(31)7月10日
青梅市青梅ボーリング場広場特設リング
▽特別試合
K.ゴッチ(無勝負)林、柴田、北沢


◎昭和44年・新春チャンピオンズシリーズ

(32)1月3日
蔵前国技館
▽特別試合(エキシビジョン)
K.ゴッチ(無勝負)安達、戸口
*この日のメインは馬場、猪木組対W.スナイダー、D.ホッジ組のインタータッグ選手権。


◎ダイナミックシリーズ

(33)2月28日
大田区体育館
▽特別試合
K.ゴッチ(無勝負)戸口、柴田

高千穂は高千穂明久、のちのグレート・カブキ。
安達は安達勝治、のちのミスター・ヒト。
駒はマシオ駒(この時期本名の駒厚秀だったかも)、のち全日本、昭和51年腎臓障害で死去。
林はミスター林(この時期林牛之助だったかも)のち全日本、故人。
平野は平野惣一、日本プロレスで引退、もと日大アマレス部。
北沢は北沢幹之、のちの魁勝司、新日本プロレスで第3回カール・ゴッチ杯優勝、その後リングスでレフェリーを務めた。
永源は永源遙、新日本からジャパンプロレス→全日本→ノアで引退。
柴田は柴田勝久、のち新日本、レフェリー。息子はHERO'S出場中の柴田勝頼。
藤井は藤井誠之、引退後のち全日本で短期間カムバック。
戸口は戸口正徳、のちのキム・ドク、タイガー戸口。


この若手との特別試合は33戦3勝30無勝負。
勝ちは北沢からフォール勝ちが2回、駒からギブアップ勝ち?が1回。
北沢(魁)は出典不明だがインタビューで「ゴッチに(関節を)決められたことはない」という意味の話をしたのを記憶しており
ゴッチが2度の北沢からの勝利が共にエビ固めでのフォール勝ちであって、関節技ではないということはこの話の裏づけなのかもしれない。
また駒は早くに亡くなったが、初期の全日本でコーチ役をしていたとされる彼が存命だったらゴッチイズムが全日本にも伝播した可能性もある。
追記:(18)の試合結果はミック博士よりいただいた。ネタ元はゴング9月号掲載の熱戦譜。

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