No.377 新日本プロレス「Resolution’09」
棚橋弘至vsカート・アングル「学生プロレス対アマレスオリンピック金メダリスト」の世紀の対決。

新日本プロレス「Resolution’09」
2009年4月5日 東京・両国国技館
同行者=なし

実現するはずがないと思っていた「アマレス五輪金メダリスト」対「学生プロレス出身者」の世紀の対決が実現。
それならせっかく実現したんだから見に行かなくちゃ、ということで小島対天山の東京ドーム以来約4年ぶりの新日生観戦。

場内は向正面を全部つぶして入場ゲート、舞台とし大画面も。
正面席両サイドのコーナー部分の席もない。
少しでも客席をいっぱいに見せようとする努力って言えば努力。

【IWGP選手権・棚橋-アングル】
アングルの紹介時はやたら「TNA」がアピールされ「元WWE」ってイメージを出さない。
ロックアップからアングルがバック取ってコントロール、棚橋ロープに逃げる。
棚橋片足タックルにいくもアングル抜けてバックを取る、ロープブレーク。
この辺完全にアングル優勢、って五輪金だし当然か。
アングルがバック取ると棚橋足を踏みつけて脱出。
棚橋ヘッドロック。アングルがロープに振っても抜けない。
アングル、バックドロップ、
一度はロープワークからのタックルあるものの棚橋再度ヘッドロック。
アングル、ロープに押して戻ってきた棚橋に見事なフロントスープレックス、さらにアングル、ブレンバスター。
アングル、棚橋をコーナーに詰めて肩でタックル。
5分経過、アングル、シュミット式バックブリーカー。
さらにキャメルクラッチ、背骨に膝を当てる強烈な締め。



アングル、スリーパーに移行、棚橋エルボーで脱出。
アングル、ロープワークからキッチンシンク。
アングル、ロープワーク、エルボー。
ボディアタックが両者相打ちでダウン。
エルボー合戦。
棚橋、ジャンプしてボディアタック、カウント2。
棚橋、コーナー上からムーンソルト、カウント2。
アングル、サミングから棚橋を場外に落とすが、
ロープを掴んだ手が残っていた棚橋が鉄棒の逆上がりのように回転してリングに戻る。
棚橋、アングルスラムをかわしてアイリッシュホイップ、さらに延髄斬り。
棚橋がコーナー上に登ったところをアングルが投げ落とす、カウント2、10分経過。
アングル投げっ放しジャーマン2発、棚橋ドラゴンスープレックス。
棚橋、コーナー上からフロッグ・スプラッシュ狙うが自爆。
アングル、アングルスラム、カウント2。



アングル、ショルダーをはずして(え、もうはずしちゃうの?)アンクルロック。
棚橋キックや回転で逃れようとするがアングルもバリエーションのある動きで離さず。
棚橋下からアングルの足を取って強引なドラゴンスクリュー、さらにテキサスクローバーホールド。
しかしアングルはずして再びアンクルロック。



棚橋、回転してエビに丸め込む、カウント2。
棚橋、アングルスラムをかわしてネックブリーカー、カウント2。
コーナー上からダイビング・アタック。15分経過。
さらにフロッグ・スプラッシュ2連発、これでカウント3。

・・・いやー、学生プロレスが勝っちゃたよ、オリンピック金に。
すごい決着だなあ。
おいらの予想ではアングルがアングルスラムの連発で勝つと思っていたんですが。
でも「世紀の対決」と言うほどの攻防ではなかったしまた興奮度もなく、平均点的な試合でした。
しかし中邑もアングルに勝っちゃうし、今の新日本はB.レスナーで懲りたのか
あんまりアングルを大事に売ろうとか考えてないのでしょうか。
アングルはそんなに負けを安売りさせるような商品価値の低いレスラーではないと思うんですが。
15分前で「肩掛けをはずした」のも、え?早いんじゃない?って感じで少々がっかり感。
20分以上はこってり見たかったが。



試合後のインタビューではナルシストぶりを発揮する棚橋。
今後はもちっとレスリング的に説得力のある試合を期待する。
キャラは立ち出したような気がする、だからこそIWGP王座をまかされてるのだろうが。

【後藤-矢野】
後藤への声援がすごく多い。観客の期待度を感じる。
後藤、エプロンでショルダーアームブリーカー。
さらに腕攻撃。後藤プランチャー自爆。
矢野が椅子を取ると後藤パンチから鉄柱攻撃。
後藤がエプロンでポーズしてるところに矢野が足に椅子攻撃。これで形勢逆転。
矢野、リバースインディアンデスロック。



後藤ロープに逃げる。矢野、後藤の足に鉄柱攻撃。
後藤反撃、延髄斬り、エルボー、ニールキックこれは当たりが浅い。
矢野、ゴングを鳴らす槌を持ち込むがレフェリーに阻止される。
後藤、うずくまったレフェリーを踏み台にしてニールキック。コーナー上からエルボー。
後藤、飛びつき腕十字固め、矢野のラリアートをかわしてバックを取りジャーマン、カウント2。
矢野、スモールパッケージ、カウント2。さらにスピアー。
矢野、大きく持ち上げてのパワーボム(鬼殺し)、カウント2。
後藤ラリアート、15分経過。
矢野、パワーボム、カウント2。
しかし後藤、矢野に飛びついて絡みつき、変形腕固めでギブアップ勝利。
昨年のG1クライマックス、今年のNJCを制覇した後藤への期待の大きさを感じた試合。
後藤は5月の福岡でIWGP王座に挑戦。
「変形腕固め」はオリジナリティありそうな技なので固有名詞をつけてはどうか。
飛びつきから入るムーブは魅力ある。

【永田-飯塚・チェーンデスマッチ】
ヒールに変身した飯塚を見るのは初めて。スキンヘッドで右腕を吊ってる。
ゴング前、チェーンをつけるところで飯塚が奇襲、永田を場外に落として攻撃。
飯塚はまだチェーンをつけていない、騒乱のうちゴング。
場外戦で永田は早くも流血。飯塚の左腕にチェーンを装着して再開。
フォールなし、ロープブレイクなし、場外カウント、反則カウントなし、ノックアウト、ギブアップでの決着。
永田キックで逆襲、チェーンを飯塚の首に巻きつけると自らコーナーに上がり飯塚に首4の字を仕掛け、
そのままロープ越しにぶら下がるタランチュラみたいな攻撃、これは苦しそう。



リングに戻って永田キック、頭突き合戦。
永田エルボーからナガタロックU、5分経過。
張り手合戦、永田打ち勝つ。
永田キック、飯塚チェーンを正面で構えての突進での喉突き。さらに手にチェーンを巻いてのパンチ。
場外戦で飯塚椅子攻撃。放送席にのしかかるようにして飯塚が永田の額に噛みつき。
リングに戻って飯塚、永田の額にパンチ攻撃、さらに噛みつき。
額の傷にチェーンを巻きつけてこする。鎖の鉢巻き。
飯塚、裏投げからフォールの体勢。しかしこの試合はフォールなし。
10分経過、飯塚スリーパー。永田ほどいてアームブリーカーからヒジ打ち連打。
飯塚も流血。永田お返しの噛みつき。
場外にエスケープした飯塚をチェーンで引っぱって鉄柱にぶつける永田の頭脳プレー。
永田ロープ際で腕固め、飯塚パンチで脱出。
永田アームブリーカーから腕十字、15分経過。
飯塚ロープに足を伸ばすも、ロープブレークがないので永田締め続ける。
飯塚、永田の足に噛みついて脱出。
飯塚がチェーンでの首絞めを狙ったところを永田がバックドロップ、さらにブレンバスター。
永田右ハイキック、動かなくなった飯塚にダウンカウント、ナインでよろよろ起き上がる飯塚。
永田アームロックを決める。



ビジョンには永田の白目顔が大写し(笑)。
「白目式腕固め」とでも呼ぼうか。白目で腕決める効果の程は不明だが。
と、GBHの石井が乱入してちょっかい。永田エルボーで石井を蹴散らすが、
その隙に反対側では邪道が渡した凶器を飯塚が右腕に装着、すかさず永田にパンチ
(で、レフェリーの隙を突いて邪道に戻すと邪道は丁寧に凶器をしまう)。
飯塚パンチから永田の首にチェーンを巻きつけて絞首刑。
永田立上がろうとするが石井に足をすくわれてエプロンで苦しそう。



チェーンを引っぱる飯塚。
だんだん永田の体から力がなくなっていき、レフェリーストップで飯塚の勝利。
永田は負けたけどうまいチェーンの使い方やタランチュラみたいな攻撃など多彩な見せ場たっぷりで大満足、
意外とこの手の流血試合やデスマッチが似合うようになってきた。
そして白目。白目はいいネタだなあ、アンダーテイカーから持ってきたか?
でも試合中だからいつ出るかいつ出るか、から「出たー!」って感じが様式化していないところが長所。

【中邑-真壁】
先に入場した真壁の入場曲は「移民の歌」のカヴァー。
なるほど、「キングコング」とチェーンはブロディのイメージだ。
後から入場してきた中邑を花道で急襲する真壁。
しかし中邑が反撃。リングに入ると中邑が蹴りまくり。真壁生彩がない。
10分過ぎ真壁のニードロップが自爆、セコンドの本間が介入。
矢野が椅子持ってリングイン、しかし何と矢野は椅子で真壁を攻撃、入ってきた本間も矢野が椅子で迎撃。
中邑がランドスライドで3カウント。
さらに真壁にタイガードライバー風に脳天を叩きつける攻撃。
これで真壁は動けなくなり担架で退場。
GBHを裏切った矢野は中邑とともに退場。
新勢力が結成されたか。

【タイガーマスク-B.タイガー】
ブラックがエプロンでぶらさがり足4の字を仕掛け、
カウントぎりぎりでリングインしてのリングアウト勝ちを狙ったが裁定は両者リングアウト。
IWGP実行委員?の垣原の裁定で再試合。
再開後は足抱えてのスープレックスでタイガーが勝利。
敗北したブラックはルールによりマスクを脱ぐことになるが抵抗。
垣原の催促もありようやくマスクを脱いだブラック、で正体は誰?浅黒い肌のラテン系外国人。
ブラック、いさぎよくタイガーの手を挙げて退場するが、ここでもう一人のブラックのマスクをつけた人物が乱入!
ブラック2号(?)、タイガーの覆面を剥ぎ取り勝ち誇るように退場。
タイガーはセコンドが脱いだシャツで顔を隠しての情けない退場。
ストーリーはまだ続きそう。

【その他】
オープニング曲は昔と変わらない「エマーソン、レイク&パウエル」の「ザ・スコアー」。
試合カード発表時はジェフ・ベックの「スター・サイクル」。昔テレビで次期シリーズの予告の時に使用されたBGM。
ミラノはブリッジでのラリアートかわしを披露。手足の長さと柔軟性は持ち味。
蝶野が激ヤセしていたのには驚き。胸の肉なんかタプタプしていて、病人みたい。
相当コンディション悪そう。
ジュニアタッグは意外にも序盤手を取ってのレスリング的攻防を見せる。
P.デヴィッドは受けも豪快だし今後も期待できそうな選手。

さて、観客発表は8千人、発表を鵜呑みにすれば3月14日同会場での全日本より少ない。
カート・アングルにギャラ払ってこの入りでは厳しいのでは。
そうなると切り札は「方舟との対抗戦」ということになってしまうのか。
歴史は語る、対抗戦は爆発的な盛り上がりを見せることもあるがその後が続かない可能性もある両刃の剣。
安易な道に走らずに今は地道な努力を続けてもらいたいと思う。
永田の試合は面白かったし、デヴィッドなどいい選手もいる。
要は今回おいらに足を運ばせたようなマッチメークでしょう。
面白そうなマッチメークがあれば今後も行きますよ、新日。
そもそもおいらは新日派だったんだから。

(09.0405-08)

新日本プロレス
「Resolution’09」
2009年4月5日 東京・両国国技館
観衆8000人(主催者発表)

1.20分1本勝負
○金本浩二(レフェリー・ストップ、8:27)岡田かずちか●
*キック、パンチで岡田がダウン。

2.20分1本勝負
○本間朋晃、石井智宏、邪道(体固め、8:52)井上亘、ミラノコレクションA.T.、石狩太一●
*ダイビング・ヘッドバット。

3.30分1本勝負
○AKIRA、蝶野正洋、 獣神サンダー・ライガー(エビ固め、8:19)長州力、スーパー・ストロング・マシン、エル・サムライ●

4.IWGPジュニアタッグ選手権試合(60分1本勝負)
○アレックス・シェリー、クリス・セイビン(片エビ固め、12:54)田口隆祐、 プリンス・デヴィット●
*合体式不知火、王者組が2度目の防衛。

5.IWGPジュニアヘビー級選手権試合(ベルト・コントラ・マスカラ60分1本勝負)
*王者タイガーマスクが王座を、挑戦者ブラック・タイガーが覆面を賭ける。
▲タイガーマスク(両者リングアウト、6:49)ブラック・タイガー▲

◎再試合(リングアウトなし完全決着60分1本勝負)
○タイガーマスク(デストロイスープレックスホールド、4:49)ブラック・タイガー●
*タイガーマスクが2度目の防衛、B.タイガーは覆面を脱ぐ。

6.60分1本勝負
○カール・アンダーソン、ジャイアント・バーナード(エビ固め、15:50)中西学、大森隆男●
*スタナー(ネックロック・バスター)。

7.60分1本勝負
○後藤洋央紀(変形腕固め、16:10)矢野通●

8.チェーンデスマッチ時間無制限1本勝負
○飯塚高史(レフェリー・ストップ、21:58)永田裕志●
*チェーンとロープを使った首絞め。

9.60分1本勝負
○中邑真輔(片エビ固め、12:42)真壁刀義●
*ランドスライド。

10.IWGPヘビー級選手権試合(60分1本勝負)
○棚橋弘至(片エビ固め、15:11)カート・アングル●
*フロッグ・スプラッシュ2連発、王者が防衛。

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