No.156
プロレスの夢!馬場・アンドレ大巨人タッグ初結成&ホーガン対ハンセン頂上決戦!
WWF・新日本・全日本合同「日米レスリング・サミット」
WWF・新日本・全日本合同「日米レスリング・サミット」
1990(平成2)年4月13日 東京ドーム
同行者=千里眼(他にいたかもしれない)
以前より日本マット界の市場を調査していたビンス・マクマホン・ジュニアWWF(当時、現WWE)代表が話を日本側に持ち込んでの共催。
主にWWFと全日本の混合戦、対抗戦が主軸として行われ新日本は自団体の2試合の提供にとどまった。
【天龍対ランディ・サベージ】
「威風堂々」POMP And CIRCUMSTANCEの豪華なテーマ曲でまずランディ・サベージが入場。
続いて高中正義の虹伝説「サンダー・ストーム」で天龍入場。蛍光色のグリーン、赤にチェックが入った派手なロングタイツのサベージと
黒いショートタイツの天龍が並ぶとミスマッチ的なテイストが。
天龍がチョップ連発するとサベージもパンチ、地獄突きで応戦。
天龍のトペは自爆。サベージはコーナー四方から順番にナックル。
サベージの女性マネジャー、シェリー・「飲み屋のチーママ」マーテルが脱いだヒールで天龍に攻撃。
だがダイビング・プレスに失敗して膝を痛めたサベージに天龍すかさずパワーボムを決めてピンフォール勝ち。
ミスマッチが好勝負に転化。
【アルティメット・ウォリアー対テッド・デビアス】
アルティメット・ウォリアーは両の上腕とシューズにたくさんの原色のひらひらをつけての入場。
花道を疾走してコーナーに上ると両腕を何度も天に突き上げてアピール。
だがビジョンのアップで彼の表情をオレンジとイエローのペイント越しにうかがうと、目が全然さめていた。
試合巧者デビアス(ミリオンダラーマンのキャラ)はフィストドロップぐらいしか技を出さず。
逆にアルティメットはラリアット、フライング・ショルダーアタックなど派手な技オンパレード。
最後はフライング・ラリアットでダウンしたデビアスの「背中」めがけてアルティメットがフライング・ボディスプラッシュ。
アルティメット・ウォリアーは全てが装飾された、といった印象。
内面的な部分から醸し出される雰囲気が全く感じられず、レスラーというよりは中途半端なアクターではないか。
【馬場、アンドレ対デモリッションズ】
馬場のテーマ「王者の魂」にのってジャイアント馬場、アンドレ・ザ・ジャイアントが入場、
世紀の大巨人コンビが東京ドームのリングで実現!
物凄い歓声、ガリバー二人が同じコーナーで並んでいる光景は圧倒的、
人類の一つの到達点、まさに「プロレスの夢!」
この入場後の数秒は今思い起こしても鳥肌が立ちます。
試合は馬場の16文、アンドレの「2階からのヘッドバット」が炸裂、デモリッションズも大型のタッグチームだが
大巨人コンビには全く歯が立たない。
最後は大巨人コンビが初の連携を見せた後ダウンしたスマッシュをアンドレが全体重を乗せたエルボー・ドロップで圧殺。
なおデモリッションズのアックスは新日本の常連だったマスクド・スーパースター(ビル・イーディ)。
素顔でビリー・クラッシャーを名乗ったことも。またマスクをかぶる前はボロ・モンゴルで「にせモンゴル人」。
スマッシュは前名クラッシャー・クルスチェフ、全日本に「ラシアンズ」で来日経験のある「にせロシア人」。
【ハルク・ホーガン対スタン・ハンセン】
こちらも「プロレスの夢」だ!
ホーガンの対戦相手は全日本常連外国人テリー・ゴディがエントリーされていたが、
直前でスタン・ハンセンに変更との新聞記事が!
もっと前からこのカードで宣伝していれば観客動員はさらに伸びたのではないだろうか。
WWF世界ヘビー級選手権を差し置いてこのカードが、日本の東京ドームのメインを務めるのはまさに痛快。
リングインするなりロープワークで走り出して黒人リングアナを吹っ飛ばすテンガロン・ハットのスタン・ハンセン。
ホーガンは「HULK〜」と赤のロゴが胸に入った黄色のノースリーブ、
リングインすると右手をあげて天を指差し「イチバーン」のポーズ。
ぞくぞくするような両者の対峙。
9年ぶり2度目のシングル対決はホーガンが日本で戦ってきたスタイルでハンセンに対抗。
カニバサミからのグランドを披露。
タックル合戦、場外戦の鉄柱攻撃、両者流血、祭りの華だ!
ハンセンがカウンターのラリアット狙いも、ホーガンフライング・ボディプレスで応戦。
さらにラリアットを狙って突進するハンセンに、ホーガンがロープを背にしてのハイキック、
一瞬棒立ちになったハンセンにホーガンがアックスボンバーを決め3カウント。
敗れはしたがハンセンは2月新日本のドームでのベイダー戦に続きド迫力マッチを披露、賞賛。
(2004.0822)
1990(平成2)年4月13日 東京ドーム WWF・新日本・全日本合同「日米レスリング・サミット」
観衆5万3742人
1.20分1本勝負
○D.クロファット、D.ファーナス、J.マレンコ(エビ固め、11:56)S.冬木、川田利明、北原辰己●
2.20分1本勝負
○獣神サンダー・ライガー(片エビ固め、8:37)野上彰●
3.20分1本勝負
○J.スヌーカ、T.サンタナ(片エビ固め、8:28)小橋健太、渕正信●
4.20分1本勝負
△タイガーマスク(時間切れ引き分け)ブレット・ハート△
5.20分1本勝負
○ザ・グレート・カブキ(エビ固め、7:18)グレッグ・バレンタイン●
6.20分1本勝負
○J.ロバーツ(体固め、10:25)B.ボスマン●
7.IWGPタッグ選手権(60分1本勝負)
○マサ斉藤、橋本真也(片エビ固め、13:00)長州力、蝶野正洋●
*王者組が3度目の防衛。
8.60分1本勝負
○J.鶴田、キング・ハク(体固め、10:53)カート・へニング、リック・マーテル●
9.60分1本勝負
○天龍源一郎(エビ固め、10:49)ランディ・サベージ●
10.WWF世界ヘビー級選手権(60分1本勝負)
○アルティメット・ウォリアー(体固め、6:12)テッド・デビアス●
*アルティメット・ウォリアーが王座防衛。
11.60分1本勝負
○アンドレ・ザ・ジャイアント、ジャイアント馬場(体固め、6:39)アックス・デモリッション、スマッシュ・デモリッション●
12.60分1本勝負
○ハルク・ホーガン(片エビ固め、12:30)スタン・ハンセン●
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