No.135
ベースボールマガジン社「夢の懸け橋〜憧夢春爛漫」SWS取材拒否以来のパラレル・ワールドが現出。

ベースボールマガジン社「夢の懸け橋〜憧夢春爛漫」
1995年4月2日 東京ドーム
同行者=千里眼

13団体を集結させたということでは画期的な大会だった。
新日本と全日本(の所属選手)を同日同じリングに上げるということを考えても歴史上数回しか行われていない「オールスター戦」の資格充分。
しかしインディ系とメジャー団体の選手の試合内容の差などが如実に見えてしまうという側面も感じられた。

追記:「9/10,143の邂逅」執筆に伴う大会開催の経緯 (2004.0813)
週刊ゴング平成9年2月11日増刊号では東スポが79年に行った「8・26夢のオールスター戦」と比較して大会開催までの経緯を説明している。
(前略)『東スポは何回も3団体首脳会議を斡旋し、その都度記者会見を行って経緯を発表。
カード編成に当たっては東スポの希望も、3団体代表の意見も公表し、ファン公募も行なった。
その結果各マスコミも実現に協力し、ファンの声も反応(註:反映、か)されて、対抗戦、交流戦、越境コンビ&トリオの結成と夢のカードが続出。
「夢のオールスター戦」と呼ぶにふさわしい大会となって成功したのである。
だがベースボール社は、前年から水面下で各団体に交渉し、平成7年1月第1週発行誌で開催を発表した後も
全く他のマスコミに連絡を取ることなく独断専行した。
このためソッポを向いたマスコミも多く、独断専行に腹を立てたプロレス関係者も少なくなかった。』(後略)

双方とも言い分があると思われるがここではこの一文を紹介するに留める。

LLPW
神取がグローブ、柔道着、素足というコスチュームで出てきて大うけ。
絞めを決めながらのパンチ攻撃にVT研究のあとが。
レフェリーは角田。実はK-1も密かに参加していた、ということか。

IWA JAPAN
テリーとヘッドハンターズの絡みが往年のテリー対ブッチャーに見えなくもなかった。
レザーフェイスのチェーンソーは音が大きくてそれなりに楽しかった。
しかし流血戦をだらだら見せられるのは正直自分はつらかった。

パンクラス
パンクラスの試合はこれが初めてだった。
ポリシーは感じたがもう少し長い時間技術の攻防を見たかった。彼には自分の気持ちが伝わらなかった。

藤原組
藤原組の試合というよりは荒川のコミカルファイトの色彩が強くて、20年ぐらい前の新日本の前座試合を見ているようだった。
U系が多数参加の大会だったので他のU系との差別化を図ったのかもしれないが、それより何より通常のプロレス団体も参加している中のことでありやや中途半端。

みちのくプロレス
新崎人生がいないぐらいでほぼ前年の全女東京ドームと同じようなメンバー。
しかし試合は面白い。ニセデルフィンは長谷川咲恵。

リングス
前田の入場時の人気が高かった。
リングアナは古田氏ではなかったよう。

Uインター
なぜ田村を出さなかったのだろうか。
ここは顔見せでごちゃごちゃした6人タッグよりも田村のシングルバウトをスカッと見せて「Uインターの田村ここにあり」をアピールしたほうが良かったのでは?
試合は高田が高田スペシャル(腰投げからの腕ひしぎ逆十字)で快勝。

全日本
試合内容は素晴しかった。引き分けが気になるが。

新日本
両者とも体が痛んでるようで試合内容はいまいちだった。

SWSを名乗る荒川以外は現状の各団体の陣容で勝負。
どこかの文章で「プロレス各団体の見本市」と言う言葉も見た記憶が。
逆に対抗戦形式が一つもないので自分好みの殺伐とした試合が見られなかったのは残念。
試合後の報道と言うと東京スポーツ紙は大会の報道はするものの主催の出版社の名前は出さず。
ゴング誌はもちろん裏開催の後楽園ホールWARが主。
SWS取材拒否の件をあわせて考えるとSFじゃないが日本のプロレス界が微妙なズレのある二つの世界に分裂したかのようだ。
BM社の世界ではSWSは存在せず、東スポ、ゴングの世界では「夢の懸け橋」は存在しない(笑)。
それはともかくプロレス報道の老舗である東スポがこの大会に触発されて「10・9」開催に一役買ったというのは飛躍した見方か。

(1995年4月2日の日記を元に再構成、2004.0425)

ベースボールマガジン社「夢の懸け橋〜憧夢春爛漫」
1995(平成7)年4月2日 東京ドーム
観衆6万人(主催者発表)

*全試合30分1本勝負

1.JWP女子プロレス「プロレスの神様ありがとう」8人タッグマッチ
○関西、福岡、C.奥津、能智(ダイハード関西、17:29)尾崎、C.鈴木、矢樹、D.雅美●

2.LLPW「レディース・アルティメット・ファイト」
○神取忍(三角絞め、1:12)ハーレー斉藤●
*レフェリー角田信朗、準VTルール(註1)。

3.全日本女子プロレス「全女GREATEST4★プレミアム」
○アジャ・コング、井上京子(体固め、17:40)ブリザードYuki、豊田真奈美●
*北斗晶試合後に乱入。

4.剛軍団「エイリアン・デスマッチ」
○剛竜馬(片エビ固め、15:11)宇宙魔神シルバー]●
*エイリアン・デスマッチ全宇宙公認統一ルール(註2)。

5.IWA JAPAN
「バーブワイヤーボード・スーパースクランブル・バンクハウス6人タッグデスマッチ」
○中牧昭二、T.ファンク、L.フェイス
(横入り式エビ固め、18:28)C.ジャック、ヘッドハンターA、B●

6.パンクラス「シングルマッチ」
○鈴木みのる(ヒールホールド、1:50)C.デヴィーバー●
*パンクラスルール(註3)。

7.藤原組「藤原組ライバル対決」
○石川雄規、藤原喜明(三角絞め、16:30)ドン・荒川、カール・グレコ●
*通常プロレスルール。

8.みちのくプロレス「みちのく・ザ・ベスト'95」
○S.デルフィン、愚乱・浪花、T.みちのく
(デルフィン・クラッチ、22:25)G.サスケ、SATO、獅龍●

9.リングス「クリス・ドールマン日本引退試合第1弾」
○前田日明(ヒールホールド、5:26)クリス・ドールマン●
*リングスルール(註4)。

10.UWFインターナショナル「スペシャル・シックスメン・バウト」
○高田、垣原、B.スコット
(腕ひしぎ逆十字固め、15:17)G.オブライト、山崎、J.ライディック●
*UWFインターナショナル・ダブルバウトルールに準じる(註5)。

*大木金太郎引退セレモニー

11.FMW「忍邪憧夢絵巻〜究極邪道対決・最終章」
ノーロープ有刺鉄線電流爆破マッチ
○グレート・ニタ(体固め、13:59)ポーゴ大王●
*レフトスタンド前に設置された特設リングで試合。

12.全日本プロレス「4・2ドーム特別試合」
三沢小橋健、S.ハンセン(時間切れ引き分け)川田田上、J.エース△

13.新日本プロレス「NEW JAPAN CLIMAX」
橋本(体固め、15:56)蝶野
*田中リングアナは間違いなく「60分1本勝負」とコールした。まあ今となってはどうでもいいですが。



(註1)LLPW「レディース・アルティメット・ファイト」ルール:
勝敗はギブアップ、KO、レフェリーORドクター・ストップ、セコンドタオル投入。
両手にシューティンググローブ着用、
ロープエスケープは認められないが、こう着状態が長く続いた場合
レフェリーがブレークをかける場合はある。
目潰しは反則。

(註2)剛軍団「エイリアン・デスマッチ」ルール:
3カウントフォール、ギブアップ、KO、酸素欠乏失神のみで勝負を決める。
場外カウント、及び大気圏外カウントなしの完全決着ルールとする。
今後の生命活動の維持に多大な影響を及ぼすものでない限り、
あらゆる凶器の使用、もしくは異星人による乱入など、いかなる反則も認められる。

(註3)パンクラスルール:
ダウン、ロープエスケープ合わせて5回でTKO負け。

(註4)リングスルール:
5回のダウンでTKO負け。
ロープエスケープ2回でダウン1回、
2回の注意、もしくは1回の警告で1回のロープエスケープに相当。

(註5)UWFインターナショナル「スペシャル・シックスメン・バウト」ルール:
UWFインターナショナル・ダブルバウトルールに準じる。
ただし両チーム持ち点30からの減点。
ダウンがマイナス3点、ロープエスケープがマイナス1点、
スープレックス・ポイントがマイナス1点、
関節技を決められたままタッチして交代の場合マイナス1点。
持ち点ゼロになったチームがTKO負け。

試合タイトル、結果、ルール参照:週刊プロレス665「夢の懸け橋〜憧夢春爛漫」緊急増刊号

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