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1998年トライスター社製作
監督:ローランド・エメリッヒ
音楽:デイヴィッド・アーノルド
出演:マシュー・ブロデリック、ジャン・レノ、マリア・ピティロ
<あらすじ>フランスの核実験で突然変異を起こした巨大生物「ゴジラ」が誕生、ニューヨーク・マンハッタンを襲撃。
生物学者、市長、テレビ関係者、軍はてんやわんや。
トライスター社が東宝との交渉で条件付でゴジラ映画化の権利を買い実現した海外版。
しっかしデザインはまったく斬新なモンですから「二足歩行の巨大爬虫類」ぐらいしか日本のゴジラとの類似点はないし、
足は速いけど弱っちく通常兵器で退治されてしまうあの怪獣がゴジラである理由が見当たらない。
それが何でゴジラと呼ばれたかっていうと、
襲撃を受けた日本の漁船の生き残りの老人が病院でジャン・レノの「何を見たんだ」という質問に対して
「・・・ゴジラ」と答えたからに他ならない(のではないか?)。
生き残りがあの老人じゃなくって、後述する「飯食って相撲のテレビ中継見てた人」で、記憶が混同してたら・・・
ジャン・レノ 「何を見たんだ」
生き残り 「・・・アケボノ」
なんてことになっちゃたらタイトルは・・・。
オープニングはタイトルロゴ出すタイミングがズレてるような感じがするし、タイトルそのものが小さいし(わざとやってるのか?)。
音楽も盛り上がってきのこ雲どっかーん、のところでGODZILLA!ってでっかいロゴが登場するのが正しいのでは?
役者もジャン・レノ以外は没個性な人ばっかり。
ヒロインの女馬鹿っぽいし(実際スクープをモノにしようとして元恋人の博士の足を引っぱる)。
マンハッタンにゴジラが上陸するシーンで、
釣りしてる老人の竿にかかって?海面が山のように膨らんでくるシーンは期待感ありましたが。
でも「これがゴジラ?」ってところを抜きにすれば、巨大生物パニック映画としてはまあまあの出来だと思う。
それを「ゴジラ」にするから困るわけでまあおいらからすると
「巨大イグアナの逆襲」あるいは「イグアナキングの逆襲」ぐらいのタイトルで充分でしょう。
さすればデザインの違いも通常兵器で倒される弱っちさも気にならないのでは。
デザインだって悪くない。薄い灰色あるいは場面によっては褐色、独特の四角い頭部。背中のトゲの強大さ。
腹回りが細くて意外に人間に近いシルエット。ゴジラってことじゃなきゃ。
それにあれだけスピード性を強調している生物でヘリコプターに噛みつくことはできるのに
何でラストでタクシーを捕まえられないんだという謎も(笑)。
【まあ・・・見どころっていうか&その他】
●最初に襲撃される日本漁船で飯食ってる人がテレビで見てるのが大相撲中継でどう見ても曙と貴乃花の取り組み。
ゴジラと相撲で日本文化を散りばめてるってことか。
●サントラCD買いましたがいろんなアーティストが参加してまして(日本代表ラルク・アンド・シェル)
そんな中やはり聴き所は元レッド・ツェッペリンのジミー・ペイジがギターを鳴らす「カム・ウイズ・ミー」ではないでしょうか。
映画の劇中ではちょっとしか聞こえませんが、エンドロールではしっかり聴けます。
原曲はもちろんツッペリンの「カシミール」ですが、
実際のカシミール地方はインドとパキスタンという両核保有国による紛争が続いているいう符合も。
●後年曙がK-1にデビューし、韓国で行なわれたアジアトーナメントに出場した時は
この「カム・ウイズ・ミー」で入場してましたが、そんなことどうでもいいですよね(笑)。
●「GMK 大怪獣総攻撃」のオープニングで宇崎竜童が防衛隊で講義している時
この「ニューヨークに出現した巨大生物」の話が出るが講義を聴いている若い防衛隊員は
「あれゴジラだったのかよ」「日本の学者は否定している」という会話をする。
●さらに「ゴジラファイナルウォーズ」では]星人の操る怪獣の一匹として
トライスター版ゴジラそっくりの「ジラ」なる怪獣が登場する。
ゴジラのスペルが「GODZILLA」だからジラはGOD抜きのZILLA・・・か。
神懸りのオーラがなくなってしまえばそれは確かに額面通りのトカゲでしかなく
日本のゴジラと「ゴジラ日米決戦」が実現するがあっけなく秒殺される(笑)。
後半は我ながらぜんぜん本作の話になってませんね。
ラストは・・・まあ「2」を作る時のため用のラストだなあ・・・。
08年現在「2」は出来てませんが。
元祖日本の東宝の第一作(1954年版)のラストの山根博士(志村喬)のセリフがダブるっていえばダブる。
(08.0604)
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