怪獣映画のルネッサンス。
「ガメラ 大怪獣空中決戦」

ガメラ 大怪獣空中決戦 デジタル・リマスター版 [DVD]

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1995年大映
監督:金子修介
特撮監督:樋口真嗣
音楽:大谷幸
主題歌:爆風スランプ
出演:中山忍、小野寺昭、藤谷文子、本郷功次郎、蛍雪次郎

<あらすじ>
超古代文明が遺伝子組み替えで創造したと思われる怪獣ギャオスが休眠卵から復活、人間を襲う。
同時期に復活した巨大怪獣ガメラは勾玉状の石で女子高生草薙浅黄と交信。
碑文の文字が示す通りガメラは人類の救世主なのか・・・。

すごく面白かった!
大谷幸氏の音楽も最高!
序盤、長峰(中山忍)が島で初めて「鳥」ギャオスと遭遇してからヘリコプターで追跡、
ピンチの末撮影に成功した直後空自の援護が到着するまでのシーン。
福岡ドームでの「鳥捕獲作戦」ギャオスをおびき寄せる餌の肉が搬入されてからギャオス誘導、
作戦展開中にガメラの登場から回転ジェット(高速回転!)で空へと去って行くまで。
いずれも緊張感、ドライブ感は音楽と相まって何度見ても鳥肌ものの迫力。

市街地のミニチュアの作りこみが良く出来ていて、高圧線を画面の前に出して遠近感を出す手法とともにいい効果を出している。
路地から仰角で見るアングルも新鮮。
怪獣ギャオスは初登場1967年の「大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス」地上でのガメラとの戦いでは
ロボットのように動きが硬くあまり生物感を感じることはなかったが、
今回の新作では皮膚のヌメヌメした雰囲気が良く出ていてリアル感は倍増。
逆にガメラの着ぐるみは大映の旧作のイメージを維持するというような要望があったらしくやや頭でっかちな出来。
しかし大きな目や丸みを帯びた体型は見る角度からすれば優しく愛らしくベビーフェース然としたつくりで、
鋭角的で攻撃的なデザインのギャオスとは対照の妙を感じる。

東京に飛来した最後のギャオスを自衛隊は短SAM(ミサイル)で攻撃するが
ギャオスは巧みにミサイルの追撃をかわしミサイルは誤って東京タワーを破壊してしまう。
ギャオスは人間をあざ笑うかのように倒壊した東京タワーの上に鎮座して巣を作る。
やがて訪れる夕焼け・・・。ストーリー展開は別として、東京タワーとギャオスをシルエットで抜いた夕焼けのその美しいこと。
特撮史上「帰ってきたウルトラマンが敗北する夕焼け」と双璧ではないか。

地底からの奇襲でクライマックスのガメラ対ギャオスの対決がスタート。
激戦は続き右足を失ったギャオスとガメラはコンビナートで対峙。
ガメラと心を通わせる少女、浅黄の勾玉が輝き彼女は父の手を握る。
ギャオスを睨みつける彼女の眼差しがそのままガメラの眼に転じてゆく。
ギャオスに対抗する力の集結を象徴させるシーン。
勝って浅黄を見つめるガメラは心なしか優しい表情。浅黄に礼を言っているかのようだ。
ガメラが海に還る場面でのBGM、女性コーラスが効果的。
「母なる海」を表現か。

(1995.0326の日記を元に再構成、2004.0424)

「ガメラ2 レギオン襲来」はこちら
「ガメラ3 邪神(イリス)覚醒」はこちら



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