「SF交響ファンタジー1」他
伊福部作品を栃木県交響楽団の演奏で聴く〜
20060618宇都宮文化会館

伊福部昭ピアノ作品集 第一集

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伊福部昭氏没後演奏されるのは多分初めて、ということで栃木行き決定。
2006.0420 電子チケットぴあでチケット購入。
.0427 帰宅後栃響から自宅に指揮者変更の電話が入ったことを知る(払戻し対応)。
.0428 帰宅後栃響から指揮者変更のファックス通知が届いていたことを知る(払戻し対応)。
今回は曲目が重要なので指揮者の方が変わるのはこちらとしてはあまり関係ない。
銀座の山野楽器で青木繁の名画「海の幸」がジャケットに使用されている
「日本作曲家選輯(しゅう) AKIRA IFUKUBE」を購入して「リトミカ・オスティナータ」のお勉強。

当日朝、千里眼氏と東武浅草駅で待ち合わせて急行で栃木県の南宇都宮駅へ。
接続の待ち時間入れて2時間以上。
南宇都宮駅周辺は静かな住宅地という感じで、駅前には酒屋ぐらいしかない。





看板には「ゴジラ来襲」の文字が(笑)。ポスターには大時計を壊す初代ゴジラの勇姿。
「まさかぬいぐるみ出てこないよな」などと冗談を。
食事してから会場入りすると全席自由席だからということもないがほぼ満員。
失礼ながらもっと閑散としてるかと思ったがこれは意外。
我々は前から3列目の席(ほぼリングサイド)をゲット。
ほどなく着席を促すチャイムと場内放送。オーケストラの面々が入場。
1曲目、「SF交響ファンタジー1」。こちらとしてはメインエベント級。いきなり大音響での「ゴジラの動機」。
席が近いので生演奏がもの凄い迫力。鳥肌が立つ。
南洋的な「キングコング対ゴジラ」のテーマ(ラストのドラが派手)、叙情的な「宇宙大戦争」夜曲と続き
白根山中のバンガローにバラゴンが登場のシーンの曲、緊張感が高まる。
次いで再びゴジラ登場、ドラムの音が「バン、バン」と重低音。ラドンのライトモチーフと絡んだ「地球最大の決戦」での対決の曲。
そしてテンポのいい「宇宙大戦争」「怪獣総進撃」そして再び「宇宙大戦争」に戻り結ぶ。大きな拍手。
追悼、って感じの要素があったからもっとさみしく聴けるかと思っていたら、
とんでもない迫力に大興奮。

次いでピアノ(註1)が運ばれてきてピアニストの山田玲子さんが舞台に。
パンフによると伊福部氏のお弟子さんらしい。
2曲目、「リトミカ・オスティナータ」が始まる。
解説では伊福部氏がかつて満州を旅した時に見た寺院の壁の無数の仏像の、圧倒的な迫力からインスパイアされて作られたらしい。
非常にアジア的で反復の連続という感じの力強さを持った曲。
メロディは氏の「大坂城物語」や坂本龍一氏のソロアルバムの「グラスホッパー」などに似ている。
確かに、聴いていると仏教の曼荼羅的宇宙が思い浮かぶようである。
そしてその中にみなぎるアジア的な生命感。
そこに西洋的な楽器であるピアノが打楽器的な面白いアクセント。

休憩中にロビーに行くと若い男性が「すげー!」って興奮したおももちで感想を。
休憩後はロシアの作曲家ショスタコーヴィッチの「交響曲第5番」。楽団にとってはこちらがメインでしょう。
こちらは間違いなくヨーロッパ的(西洋的)であり、伊福部作品のアジア的な要素が対比されることによってより明確になったよう。



帰りは区間急行で帰って浅草で一杯。
移動の時間はかかったが素晴しい時間を楽しめた。
伊福部氏の作品の永遠不滅のパワーを感じた。

(2006.0621)
註1:カワイのグランドピアノ「SK-EX」が使用された。パンフの裏面の広告によると本体価格(税込)16,275,000円!

第27回宇都宮市民芸術祭
栃響第81回定期演奏会
2006年6月18日 宇都宮文化会館
指揮:早川正昭
ピアノ:山田令子
演奏:栃木県交響楽団

(曲目)
1.伊福部昭「SF交響ファンタジー第1番」
2.伊福部昭「ピアノと管弦楽のためのリトミカ・オスティナータ」
3.ショスタコーヴィッチ「交響曲第5番」

(アンコール)
4.グリーク「Late Spring」


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