「トンデモ音楽の世界」付録CD by杉ちゃん&鉄平「怪獣協奏曲」ほか

トンデモ音楽(ミュージック)の世界

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「トンデモ音楽の世界・と学会+α著 唐沢俊一編 杉ちゃん&鉄平 曲」より。

演奏 杉ちゃん&鉄平
(ピアノ 杉浦哲郎/ヴァイオリン 岡田鉄平)

1.怪獣協奏曲
〜「ガメラマーチ」作曲:広瀬健次郎
  「キングコング対ゴジラ」作曲:伊福部昭
  「月と星のバラード」作曲:いずみたく
  「大巨獣ガッパ」作曲:米山正夫
  (演奏順)編曲:杉浦哲郎

2.レプリカント密着24時 作:編曲 岡田鉄平

3.UFOウオッチャー 作:編曲 杉浦哲郎

4.シューティング・ソナタ 作:編曲 岡田鉄平

5.水○スペシャルに幻の川○探検隊を見た!作:編曲 杉浦哲郎

6.VOYAGER―日付のない墓標 作曲:松任谷由美 編曲:杉浦哲郎

本を手にとってみると帯に「伊福部」ってあったもんだからつい買ってしまいました。
本の内容も面白かったですが付録のCD、これがまったくいい出来で!(笑)
1.と5.は聞いてるそばから笑いがこみ上げてくるので、細かい解説は本書で書いている範疇を越えないようにする。
できれば本を購入してCDを聞いて欲しい。ちなみにおいらは発売元の小学館とは何の関係もない。
「杉ちゃん&鉄平」はピアノとヴァイオリンのデュオ。テクニックは確か。
08年7月26日秋葉原の石丸電気で「杉ちゃん&鉄平」のCD探しまくりましたが
クラシック&ジャズ館に「電クラ」1&2があるのみでした。

1.はそういう名前がついてますが本書によると唐沢氏は「一九六七年協奏曲」にしたかったらしく、
その1967(昭和42)年という年は東宝が「ゴジラの息子」、大映が「大怪獣空中戦ガメラ対ギャオス」、
松竹が「宇宙大怪獣ギララ」、日活が「大巨獣ガッパ」と当時の邦画四社が揃って怪獣映画を公開した年で、
どうも唐沢氏はその四映画から曲を集めたかったらしいのだが
『「ゴジラの息子」の音楽ってのがよくわからなくって・・・』
『それに「ガメラマーチ」もね、まだギャオスの時にはなくって、次のバイラスからなんですよ』(『』内本の文章から)
などの諸般の事情から’62年の「キングコング対ゴジラ」
「ガメラ対宇宙怪獣バイラス」から「ガメラマーチ」を持ってきて「怪獣協奏曲」としたようだ。
確かに「ゴジラの息子」はこれといった曲はないから伊福部作品から持って来たのはまず正解かも。
おかげで映画は4作品だけど東宝ゴジラ、大映ガメラ、松竹ギララ、日活ガッパの他に
アメリカ産の強豪キングコングも入ったわけだから(笑)。
・・・って、東映がないなあ。

曲の始めは、人類の至宝!ともいうべきチャイコフスキーの「ピアノコンチェルトNo.1」序曲から始まって
「ガッメラー、ガッメラー、強いぞガメラ、強いぞガメラ、強いぞガ、メ、ラー」の「ガメラマーチ」に転化(笑)。
まあマーチだから一本気なのは仕方がないが
「ガメラ対ギャオス」から持ってくるなら「ガメラの歌」でも良かったのでは。
「♪北極生まれのー、大きなかーらだー、手足をー引っ込めー、回転ジェットー」
ガメラ或いは子供達に対する愛情が溢れながら応援歌でもあるこの曲、思い起こしてもいい曲であるが。

続いてあの!伊福部昭大先生の「キングコング対ゴジラ」メインテーマ。
「だんだんだらだら、だだだー、だだだー、だんだんだらだら、だだだー、だだだー」
すごい!ヴァイオリンとピアノに編曲してもこの曲は独特の存在感を醸し出している。
その後ドビュッシーの「月の光」と絡めてギララの 「月と星のバラード」。
そして「ガッパ」から、美樹克彦が歌う主題歌より。
これ怪獣映画の曲なのに演歌調という稀有な曲で、多分聴いたら結構はまりますよ。
最後の「ガッパー、アッ!ガッパー、アッ!」ってところは歌なのにヴァイオリンで見事に再現しています。

2.はタイトルも曲もヴァンゲリスのブレードランナー調。
原曲も「ブレードランナー」なんでしょうか。その辺映画は見たことあるんだけどわからなかった。
これは不安感を煽りながらも躍動感があるいい曲で、劇判でも使えそう。

3.はUFOのイメージ、4.はTVゲームがモチーフ?ゼビウスは学生の頃よくやったが今はゲームは全く知識ないので。

5.は「聴けばわかる」!!
「水○スペシャル」のあの某リバーマウス隊長の胡散臭い番組のオープニングの曲が原曲、
でも結構聴けるからそれがまた可笑しい。

6.は知りませんでしたが「さよならジュピター」でのユーミンの曲だったんですね(笑)、
今日本で一番ポピュラーなクラシック、ホルストの組曲「惑星」から「木星」を持って来てのアレンジ。
でもユーミンの原曲が映画「さよならジュピター」からだからって(笑)。
ここは本でも書かれているように杉田次郎の、劇中でイルカが鮫に襲われて死んだ時の歌の方が良かったのでは(笑)。

ともかく1.2.5.は大変楽しく聴けました。
文中にもありましたが、音楽は「音楽」と書いて音を楽しむのが筋だから
こういうのってのも正しい音楽の楽しみ方なのではないのかと思いました。
テクニック、アレンジ、ネタなど秀逸なデュオの今後の活躍に期待。


(08.0726)

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