「壮絶!喧嘩マッチ烈伝」DVD DISC‐1
1.坂口征二vs大木金太郎
◎昭和50年5月16日 日大講堂
第2回ワールドリーグ戦優勝進出トーナメント1回戦
時間無制限1本勝負
パッケージには「ワールドリーグ戦優勝戦巴戦」とあるが
この「巴戦」とはおそらく前年第1回の猪木、坂口、キラー・カール・クラップの事例と混同していると思われる。
第2回の概略は、公式戦1位と2位で優勝が争われるルールで、
公式戦1位がクラップ。2位が猪木、坂口、ストロング小林、大木の4人となり
巴戦というよりはむしろ変則トーナメントの様相。
クラップへの対戦権を得るためにまるで
日本選手権・新日本プロレス・ブロックトーナメントが行われてるような豪華な顔触れになった。
で組み合わせは大木が坂口と決着をつけたい、とか表明したため
これを坂口が受けてこの組み合わせになったと記憶している
(当然もう一つの組み合わせは猪木vs小林)。
試合はレフェリーチェックの後ゴング前に大木が突っ込んでいって乱戦。
でもここ生中継ではCMになっちゃったらしく映像は展開しているのに
アナウンスが消えて舟橋アナのボヤキが聞こえる。
「絶対駄目なんだよ、(CM)入れちゃあ、これ見せなかったら意味ないじゃないか・・・」
この試合はテレビで見た記憶があるんですが、
ここでCMになっちゃたのかどうかはおいらの記憶はあいまい。
とにかく揉み合いの中頭突きを乱発する大木、
流血して膝蹴り、パンチ、椅子攻撃の坂口って展開で、
立会人というか試合監視委員会が「両者失格」を宣言し、坂口が泣いていたのを覚えています。
喧嘩マッチというよりはもう試合にすらなってないただひたすら揉み合い、頭突き、蹴りの連続。
待機していた猪木が登場して大木とにらみ合う場面も。
▲坂口(両者リングアウト、2:33=両者トーナメント失格)大木▲
特別収録
◎4月25日 福山市体育館 公式戦30分1本勝負
坂口(無効試合、14:41)大木
2.A.猪木、S.小林vsH.シュミット、B.バーナード
◎昭和50年7月25日 寝屋川市民体育館
60分3本勝負
小林が正式に日本側に加入して猪木と組んでいるので
この時期新日本の中継はすでに見始めているはずなのだが
こんな笑える試合が全然記憶にない。
早くも結構見逃していたり記憶が定かでないことが判明してお恥ずかしい。
外人側はシュミットのみリングイン。
するとアリ・ババという外人選手がリングに入って
レフェリーのミスター高橋に「ちょっと来てくれ」みたいなしぐさ。
バーナードがなかなか出てこないので協力してくれ、って感じ。
しばらくしてバーナード出てくるんだけど、
何故かパートナーがシュミットとど突き合いを初めて不穏な雰囲気。
試合中もバーナードの奇声「あーあーあーあー」にイラっとするシュミットの表情。
試合は2本目終了辺りからまたも外人側が揉め出して、
3本目開始とほぼ同時にシュミットがリング外に出ていく。
何だかわからないうちに終了。
猪木も小林もポカンとした表情をするのが笑える。
このシュミット&バーナードって北米タッグ挑戦チームなんだけど、
本番前にこの失態じゃ前哨戦で景気付けにもなりゃしない。
案の定北米戦は0-2で敗退しましたとさ。
それから舟橋アナのバーナードへの名言
「人間の限界を超えている」も聞くことが出来ますね。
1.●小林(体固め、10:25)シュミット○
2.○小林(体固め、10:01)シュミット●
3.○日本組(試合放棄)シュミット●
○A.猪木、S.小林(2-1)H.シュミット、B.バーナード●
3.木戸修vsイワン・ゴメス
◎昭和51年8月14日 ブラジル・サンパウロ・イビラブエラ
45分1本勝負
これはリアルタイムでテレビで見ました。
ゴメスは当時ブラジルの格闘技バルツーズのチャンピオンと紹介され、
バルツーズとは日本の柔道とブラジルの現地格闘技カポエラが混合されて成立したもの、とか言われてましたが
実は後年登場するブラジル柔術やルタ・リーブレが試合をする時の形式、
「バーリ・トゥ―ド(ポルトガル語で「すべてが有効」という意味だそう)」だったそうです。
試合はフィニッシュ以外グランドのシーンがまったく出てこない異様さ。
ゴメスのファイトスタイルは距離を取って相手の脇腹へオープンハンドでの打撃、
さらにハイキック、組みついてのぶら下がり式ネックロック、
これ後年ヘンゾ・グレイシーがやった時すぐこの木戸vsゴメス戦のフィニッシュを思い出しました。
試合はスタンドの組み合いでは木戸が強く、ゴメスが攻めあぐねて距離を取る場面もあって興味深い。
だが、まあゴメスのハイキック1発で攻防がターンオーバー。
○ゴメス(首固め、11:04)木戸●
特別収録
◎昭和51年8月7日 ブラジル 30分1本勝負
○W.ルスカ(エプロンカウントアウト、9:03)イワン・ゴメス●
どちらかというとこちらの特別収録の試合の方が「喧嘩マッチ」にふさわしいのでは。
しかし収録されている時間があまりにも短い。
ゴメスの脇腹打撃?に怒った?ルスカがストレートを決めてゴメス流血、
スリーパーでゴメスがルスカを追い詰めるが
グランドでエプロンに半身が出ていたゴメスをレフェリーの高橋がカウントアウト。
暴動寸前の騒ぎになって高橋とルスカが以後の興行を出場停止になったそう。
まあレフェリーからすると熱くなり過ぎたプロレスラーとしては未成熟の二人をストップさせるには
試合そのものを停止させるしかなかったというのは仕方のないところ。
でも地元の英雄ゴメスを負けの判定にしたのが失敗だったのでは。
4.長州力、木戸修vs星野勘太郎、山本小鉄
◎昭和54年1月24日 徳島市立体育館
45分1本勝負
これは初めて見ました(またかよ)。
家庭用ビデオからの素材のようで、ノイズが激しいですが
ヤマハのコンビネーションが堪能できます。
まだ若い御小が翻弄されるシーンも今となっては新鮮。
○星野(エビ固め、16:19)木戸●
5.アントニオ猪木vsレフトフック・デイトン
◎昭和54年4月3日 福岡スポーツセンター
格闘技世界ヘビー級選手権3分10R
これは生中継をテレビで見ました。
猪木の格闘技戦の中でも内容的に好試合。
首絞め技が効かないデイトンに猪木が奇襲の頭突き連発で勝利。
アナウンサーが「(頭突きが)もう100発以上出てますね」と言ってますが
実際には40数発のようです、それでもこの数。
今回の映像で驚かされたのが、ラウンドガールが映っているということ。
ラウンド間の映像がある程度ノンストップで続いてること。
つまりマスターVTR素材があったということですね。
ホームビデオ初期、猪木の格闘技戦集というビデオが発売されてましたが、
権利関係が複雑なアリ戦はともかくこのデイトン戦も収録されていなくて
長らく幻の映像だったはずです。
テレ朝の昼のワイドショー「アフタヌーンショー」でこの試合の宣伝を見た記憶があって
一触即発の猪木・デイトンの間に司会の川崎敬三が割って入ったのが印象的。
特別収録映像にデイトンの首吊りデモンストレーションがありましたが、
この時のワイドショー出演ではスタジオで「手錠引きちぎり」を披露。
手錠をかけられた両手を左右に引き、手錠の鎖をちぎる。
で見事成功!だけど反動がすごくてデイトン後ろに倒れて尻餅。
この後デイトン歯を使っての「テニスボール破壊」もやったけど、
猪木はスーツ姿で「すごいですね」とか感想を述べる程度で何もやりませんでした。
余談ですが後年テレビ東京で「ワールド・ストロングマンコンテスト」って
色々な種目でポイントを獲得して力持ちナンバーワンを決める大会、という番組を見たんですが、
プロレスラーのケン・パテラ、テレビ版「超人ハルク」でハルク役演じてたボディビルダー、ル―・フェリグノらに混じって
ちょっと細身でしたがマイク・デイトンって選手が出場してまして
「ああ、これあの猪木と戦ったデイトンだ」と驚いた記憶があります。
○猪木(TKO、6R1:29)デイトン●
6.前田日明vsアンドレ・ザ・ジャイアント
◎昭和61年4月29日 津市体育館
60分1本勝負
もう語りつくされた感のあるプロレス裏ビデオの決定版(裏ビデオって表現は的を得てますがゲヒ―ン)。
これは過去に「新日対UWF」のDVDにも収録されてまして、それで見ました。
いきなりアンドレが前田を押しつぶしに来るなどシュートマッチの様相。
前田はアンドレの周りをぐるぐる回って、時折ドロップキックなどをやったりして
何とかきちんと試合をしようとする意思が感じられるんですが、
アンドレが一向に付き合わず、意を決した前田がローキック連発。
危険な正面からの膝への蹴りのシーンは偶然?カメラが引きになってしまってよく見えない。
最後はアンドレが寝たまま(倒れたまま)動かなくなってしまい、
猪木、藤原、高田が乱入してノーコンテスト。
アンドレとしては前田に制裁的な攻撃を仕掛けたのに
足へのキックで動けなくなって返り討ちにされた感が強い。
アンドレは寝たまま手を広げて「?」みたいなポーズをしてますが
内容的にアンドレ完敗なのは間違いないところ。
アンドレに傷をつけたらWWFに何て詫びればいいかわからない、
と損得勘定をして、一見前田をけしかけるような素振りをしておいて
試合をブチ壊して終わらせる猪木の芸達者振りにも注目。
反面一人だけ空気が読めていないのか、
それとも読めてるんだけど自分が何をしていいのか判断できないか、
それとも判断できたんだけど技量不足、キャラの問題などでそれを実行できなかったのか、
とにかく一人だけ存在が浮いているのが将軍KY若松。
不穏な会場の空気をさらに不快にさせるような不協和音、って感じのスピーカーでのがなりたてです。
前田(無効試合、26:35)アンドレ
7.前田日明vsドン・ナカヤ・ニールセン
◎昭和61年10月9日 両国国技館
異種格闘技戦3分10R
この試合は生観戦しました。→こちら
何しろ場内のボルテージがものすごく高い(それも開始前から)、熱い試合でした。
前田(逆片エビ固め、5R2:26)ニールセン●
8.長州力、西村修vs木村健悟、後藤達俊
◎平成8年9月16日 愛知県体育館
30分1本勝負
この頃は放送枠が深夜になってたのでしょうか、テレビで見た記憶はありません。
特別収録映像で確認できる「大日本プロレスの小鹿社長の乱入アピール」にキレた御小が大暴れ。
田山レフェリーに何度も攻撃を仕掛ける(普通この時点で反則負けでしょう)。
なぜか永田、安田もリングに乱入。
御小、パートナーの西村にも無差別攻撃(笑)。
ってのちのちの西村の発言からするにこのチームが結成されていたってことが興味深い。
(無効試合、9:38)
9.獣神サンダ―ライガ―、エル・サムライ、保永昇男vs金本浩二、大谷晋次郎、高岩竜一
◎平成9年3月22日 尼崎市記念公園総合体育館
30分1本勝負
実況がないのでテレビ収録ではなくVTR販売のための収録だったのでは。
エル・サムライに対する金本、大谷の攻撃がシビアで
遂にはもみ合いに。
途中からリング下でダメージの回復を図っていたサムライが相手コーナーに向って移動して
金本と場外乱闘になったらしく、その後は映像に映らない。
○ライガ―(エビ固め、16:19)高岩●
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