No.296 
「PRIDE男祭り2006 -FUMETSU-」ヒョードル大ピンチ!吉田は新鋭に完敗。


DSE「PRIDE男祭り2006 -FUMETSU-」
2006(平成18)年12月31日 さいたまスーパーアリーナ
同行者=千里眼



【第10試合・プライドヘビー級選手権・ヒョードル‐ハント】
4点膝OK。ハント左ロー。両者パンチの交錯。
ハント大きく飛び込んでの左フック、これは空振り。
ヒョードル飛び込んでハントをキャッチして投げ、テイクダウン後上になる。
ヒョードル、ハントの右腕を取って腕ひしぎ逆十字狙い、ハント両腕をロックして必死に防戦。
おそらく誰もがこの時点でハントのロックが外れたらヒョードルの関節技が決まって圧勝かと連想したことだろう。
しかし勝負は下駄を履いてみるまでわからない、とはこの事象を指すのかもしれない。
ハント腕を伸ばしながらもヒョードルの関節技を脱出、しかも上を取って有利なポジションを奪取。
ハントサイドP、コーナーに詰まってドントムーブ。再開後ハントがヒジをヒョードルの顎の下、首筋に押しつけてコントロール。
何とヒョードルの肩を決めようかとする動き。両者立ってスタンドから再開。
ハント左ストレート、ヒョードルもパンチを返す。
ヒョードル組みついてテイクダウンさせるが、ハントが上。ここで5分経過。
上になったハント、何とヒョードルの左腕にアームロックを仕掛ける、ヒョードルのリストが裏返って危険な角度!
ヒョードル意外な大ピンチ!しかし攻めあぐんだハントが技を解いてマウントポジション。
ヒョードル抜けてスタンドで再開、ヒョードル投げを敢行するも腰が重いハントテイクダウンを許さず。
氷の皇帝が意外な苦戦!
残り3分のアナウンスの後、ヒョードルパンチから組みついてテイクダウンを奪い、遂に上になる。
そしてアームロックを決めてハントからタップを奪って勝利。
グランドでのハントの意外な攻撃でヒョードル大苦戦!
しかしながら神懸り的なディフェンスとフィニッシュの強力な詰めで最後は勝利。
やはりまだまだ強い皇帝。
ハントは苦手とされていたグランドで体重をうまく使って大善戦、今後も侮れない存在では。

 

【第9試合・ノゲイラ‐バーネット】



スタンドでのパンチの打ち合い。ノゲイラは膝蹴りも織り込んでの攻撃。
1R5分過ぎ、ジョシュがロープ際でノゲイラをプロレスのショルダースルーのように背中を使って持ち上げて
空中でノーザンライトボムのように持ち替えて叩きつける。
さらにグランドで首をロックして頭部に4点膝攻撃。
ノゲイラガードポジションで下からパンチ。
ジョシュ、一旦離れて立ち、顔面にストンピング。


ジョシュネックロック、ノゲイラ抜けて上から肩固め狙い。

2R、3分過ぎ、ジョシュの鼻血でタイムストップ。
この後ノゲイラの顔面への膝蹴りが当たるようになってジョシュが目に見えてスタミナ切れになっていく。
3R、ノゲイラのスタンドのパンチがジョシュの顔面にヒット。ジョシュ苦しい展開。
ノゲイラ、タックルでテイクダウンさせるもジョシュがノゲイラの頭部をキャッチして下からのネックロック。
ガッチリと決まって今度はノゲイラが苦しい展開。
しかしノゲイラはずして上。ジョシュ下からのパンチ、三角絞め狙いの動き。

判定は3−0でノゲイラ。試合を支配していたのは確かに彼。
ジョシュは後半スタミナ切れで動きが悪くなった、残念。

【オープニング】



タキシードを着た高田統括本部長がピアノ。それにかさなる女性ボーカル。
幕が落ちると合唱隊。





合唱の後再び高田が登場していつものようにふんどし一丁で大太鼓へ打ち込み。




【第一試合・田村‐美濃輪】
美濃輪はプロモで「ミノワマン」への改名を宣言。入場時のビデオも「ミノワマン」。



田村、ミノワとも赤いタイツ。
ミノワ開始から積極的にパンチ。田村左ミドルキック。
ミノワ膝蹴り。
田村の左ミドルがミノワの左脇腹に決まりミノワ唐突にしゃがみこむ。
そこを田村が顔面へのサッカーボールキック連発、KO勝ち。
試合後田村はマイクを取り、かつてミドル級トーナメントで敗北した吉田秀彦へのリベンジを表明。

【第二試合・青木‐ハンセン】
処刑人ハンセンは髪を伸ばして風貌に変化が。
青木は七色のロングタイツ。身長は同じぐらい。
青木テイクダウンさせて上に。逃げようとするハンセンの動きを読んで回り込んでパウンド連発。
一旦待ってから横入りして上を取る、青木攻撃のバリエーションが豊富。
回転して腕ひしぎ逆十字狙いから足をかけて変形の三角絞め。
がんじがらめに絡み取られたハンセンがギブアップ。青木鮮やかな勝利。



これは素晴しい選手だ。股関節と腰、膝が柔軟なのか足での締めが素晴しい。
技のバリエーションも多くて魅せる。今後も期待。

【第六試合・藤田‐クルタニーゼ】
藤田はジミ・ヘンドリックスの「紫の煙」で入場。
身長は小さいがクルタニーゼはごっつい。

 

藤田が捕まえての右フックを当てるとクルタニーゼがエスケープするように逃げ
追いかけた藤田がバックから右フック2連発を決めるとクルタニーゼは戦意を喪失、藤田のKO勝ち。
藤田はアマレス金メダリストのイブラヒムにも打撃で勝利しているので
もはや総合経験のないアマレスラーは比較的イージーな相手としている感じがする。

【第七試合・五味−石田】
石田が右の蹴りを出したところに五味の左フックが命中、石田後ろ向きにダウン。
すかさず距離を詰めた五味がグランドで上になってパウンド・鉄槌打ちの連打。
さらにサッカーボールキックの追い討ちで目の覚めるような秒殺勝利。

 

【第八試合・吉田‐トンプソン】
プロモーションビデオのBGMはビートルズの「ヘイ・ジュード」。「ヘイ柔道」か?
4点膝OK。吉田、昨年の小川戦と同じく道着を脱いでスパッツ姿に。
開始と同時にトンプソンがパンチで突進。
吉田左ミドルのあと組んで倒して上。
サイドPから右パウンド、右手の十字狙いから移行して足関節・ヒールホールド。
トンプソン逃げてスタンド、両者パンチを出して打ち合う。
タイムストップ後の再開、吉田組んで投げ、倒して上。十字狙い。
しかしきまらずトンプソン脱出してスタンドに。
トンプソンパンチ、膝蹴りで逆襲、吉田ダウン。トンプソン上になってパンチ。
吉田足関節で反撃も、トンプソンも足を取り返す。
吉田勢い余って場外に落ちる寸前。
1R残り3分、トンプソンの猛攻が続く、ノーガードで顔面にパンチを喰う吉田。



倒れた吉田にレフェリー妙なジャッジ。動きが止まった吉田にストップを掛けず。さらに引っぱって位置を直す。この辺動きが不穏。
しかしトンプソンが倒れた吉田に上からパンチの雨を降らすとセコンドからタオルが投入されてトンプソンの勝利。
吉田は果敢にスタンドで打ち合いに出たが逆にパンチをもらいすぎてダメージが蓄積した。
体格差も相当響いたのでは。
勝ったトンプソンはこれでブレイクしそう、今後に期待。

KO決着が多くて面白かった。メインはヒョードルが負けるかという場面もあってハラハラ。
しかし1日の新聞ではミルコがUFCに移籍の報道が。
エース吉田の惨敗もあり2007年もプライドは苦しい戦いを続けるかもしれない。


(2007.0101)  

DSE「PRIDE男祭り2006 -FUMETSU-」
2006(平成18)年12月31日 さいたまスーパーアリーナ
観衆4万8709人(満員御礼)

1.1R10分・2,3R5分(インターバル2分)
○田村潔司(KO、1R1:18)美濃輪育久改めミノワマン●
*左ミドルキックからのサッカーボールキック連発。

2.PRIDE武士道ル−ル1R10分・2R5分(インターバル90秒)
○青木真也(三角絞め、1R2:04)ヨアキム・ハンセン●

3.PRIDE武士道ル−ル1R10分・2R5分(インターバル90秒)
○郷野聡寛(判定2−1)近藤有己●

4.1R10分・2,3R5分(インターバル2分)
○マウリシオ・ショーグン(判定3−0)中村和裕●

5.PRIDE武士道ル−ル1R10分・2R5分(インターバル90秒)
○ギルバート・メレンデス(判定3−0)川尻達也●

6.1R10分・2,3R5分(インターバル2分)
○藤田和之(KO、1R2:08)エルダリ・クルタニーゼ●
*バックからの右フック連打で相手戦意喪失。

7.PRIDE武士道ル−ル1R10分・2R5分(インターバル90秒)
○五味隆典(KO、1R1:14)石田光洋●
*パウンド、鉄鎚打ち連打。

8.1R10分・2,3R5分(インターバル2分)
○ジェームス・トンプソン(TKO=セコンドのタオル投入、1R7:50)吉田秀彦●

9.1R10分・2,3R5分(インターバル2分)
○アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ(判定3−0)ジョシュ・バーネット●

10.PRIDEヘビー級選手権1R10分・2,3R5分(インターバル2分)
○エメリヤーエンコ・ヒョードル(アームロック、1R8:16)マーク・ハント●
*ヒョードルが3度目の王座防衛。

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