1993年東宝映画
<あらすじ>
人類はゴジラを倒すために海底に沈んでいたメカキングギドラを引き上げて未来科学を徹底研究してメカゴジラを建造。
アドノア島で発見された卵から生まれたベビーゴジラをおとりにしてゴジラをおびき出そうとする。
1994年12月1日
レーザーディスクで「ゴジラVSメカゴジラ」を見る。
ハードな内容、特撮場面の多さ、造形の出来のよさ、そして伊福部音楽とVSシリーズでは最も気に入っている作品。
プロローグで説明されるメカゴジラ完成までの軌跡、続くメインタイトルの圧倒的な迫力。
メカゴジラのライトモチーフはメカゴジラが機械であるにもかかわらず、
打楽器の多用により泥臭く土俗的な出来上がりになっている。
しかしこの高揚感はどうだ。さすがの伊福部大先生!
「もうやらなければどうしようもないんだ」
悲壮感を持って強大な敵と戦おうとする人類、しかし希望は捨ててはいない。
または、まだ見ぬ新天地を目指して大海原に丸木舟で漕ぎ出す原日本人。
曲を聴いて目を閉じるとそんなイメージがわいてきました。
物語はゴジラ、ベビーゴジラ、ラドンの「命あるものの愛」が
「命のない」ロボットのメカゴジラに打ち勝つ内容になっている。
しかし人間側にも度重なるゴジラによる被害という側面があって善悪がはっきりしていないというのが欠点か。
強いていえばゴジラ対策の会議の席上で三枝未希(小高恵美)に
「メカゴジラに搭乗して透視力でゴジラの第2の脳のありかを突き止める」
ようにプレッシャーをかける麻生司令官(中尾彬)が人間側であるにもかかわらずすっごく悪役っぽい(笑)。
(1994・1201の日記を元に再構成)
新品価格 |
2010.0119追記
これは「平成VSシリーズ」最高の出来だね
(おいら的には「平成VSシリーズ」っていうと
'84年ゴジラ【実際は平成ではありませんが】から「vsデストロイア」までと定義します)。
まんず生頼範義氏のポスターが強烈。
のちの機龍を連想させるような配線むき出しのメカゴジラのイラスト、
卵を抱えるラドン、そしてキャッチコピーの「この戦いで、全てが終わる」。
このポスターを見て、感動しないゴジラファンなど存在するのか!と断言できるほどの出来。
実際は「ハリウッド版」の制作に合わせてのラスト、っていう出来にしたようだが、
ハリウッド版の制作が遅れたため?東宝は「vsスペースゴジラ」「vsデストロイア」まで制作した。
・・・うーん、しっかしこれで終わりでもよかったと思う、ぐらいのいい出来だし、
その後の2作がなんともちぐはぐな出来だったと感じたので。
見どころは多い。
オープニングの回収された「メカキングギドラの首」から「史上最強の対ゴジラ兵器」までの流れ。
そしてメカゴジラの頭部のアップから始まって
一瞬画面全体が赤く発光してから画面に踊りこむ「ゴジラVSメカゴジラ」の真っ赤なタイトル!
もちろんあの土俗的なリズムのメカゴジラのライトモチーフを聞きながら、だ。
バードス島でのラドンの出現、そしてゴジラ登場から対決。
伊福部先生の「ゴジラの動機」とラドンのライトモチーフが合体した戦闘シーンの曲は出色。
エスパー・コーラスによるラドン復活、
体を震わしながら赤く変色したラドンが甦るシーンは感涙。
そして幕張メッセでの最終決戦。
ラドンから生命を受け継がれて復活するゴジラ。
三枝美希のセリフ「さよなら、ベビー、さよなら、ゴジラ」。
「古代植物」のメロディーを背に、海に帰るゴジラとベビー。
全編通じて佐野量子の愛らしく母性的な演技が生きていて、ホント最後泣かせる。
高嶋との「翼竜ロボット」でのフライトシーンもファンタジー感いっぱい。
佐野さんはこの作品の後引退して御結婚されましたが、お相手は…た、武豊(競馬騎手)!
とにかく、ゴジラ作品では人気上位に入る名作、だと思うなあ。
*画像の銅像は日比谷シャンテ前のゴジラ。
偏食ムービーに戻る
目次に戻る
SAMEDASU扉に戻る