燃えるぞヤシマ作戦。
「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」



総監督:庵野秀明
監督:鶴巻和哉 摩砂雪
製作:カラー(2007年)
音楽:鷺巣詩郎
主題歌:宇多田ヒカル

<あらすじ>近未来の日本を急襲する謎の物体「使徒」。
国連機関ネルフは汎用人型決戦兵器・人造人間エヴァンゲリオンを駆使して
人類の未来を賭けて使徒と決戦する。

10月6日、新宿で見る。
約10年振りのエヴァンゲリオン新作。
基本的にはテレビシリーズのストーリーを踏襲しているが、細部がやや違い、新しい設定もあるよう。
テレビシリーズ、前回の劇場版(以下、旧作と表現)からの流用はしないで、素材は使われているものの、
絵は新たに描かれているそう。
CGが使われているため、絵が綺麗。

最初でちょっと驚いたのが冬月とゲンドウの会話、
冬月「15年ぶりだね」
ゲンドウ「ああ・・・間違いない・・・使徒だ」
という、旧作では物語の始まりを示すセリフがなかったこと。

また使徒の襲来する海がLCLのような赤い海であること。
近くの陸地に巨大な人型が倒れたようなマーキングがあること。

そして使徒のナンバーが違うこと。
旧作では第三使徒だった、物語の初めに登場するサキエルが「第四の使徒」とされている。
次いで登場する第四使徒だった赤いイカみたいなデザインのシャムシェルが「第五の使徒」
第五使徒だった正八面体のラミエルが「第六の使徒」。
またシャムシェルは背面にサキエルの顔に似たデザインの顔がついている。

サキエルのエピソードは物語の導入部分であるがややはしょり感っていうか、駆け足での説明という感じがして
はじめて見る人は理解できるか、話に追いついていけるかな、と思った。
「序」の使徒は消滅する時大量の血を噴出する。
シャムシェルは旧作ではコアを破壊された後遺骸が残るが「序」では初号機に突き刺さった触手を残して消滅、血の雨を降らす。

「序」は作品後半のヤシマ作戦がストーリーのメインになっており、
日本中の電力を集中するシーンでやたら輸送シーンとか準備のシーンの描写に時間が掛かっている。
しかしこれが鷺巣詩郎の音楽を聴きながら見ているとなぜか燃える。
これは東宝特撮の「サンダ対ガイラ」で自衛隊がL作戦を準備する時の期待感と同じなのでは。
第五使徒シャムシェル迎撃の時、第三新東京市が戦闘形態に変化するシーンも同じ。

第六使徒ラミエルは正八面体から瞬時に様々な立体に変化して攻撃するという新しい映像が斬新。
ウニのようなとげとげ状態になったり、ジオフロントへの侵入は旧作では体内からドリルのような突起が出て掘削してたが
「序」では体の下の部分が柔らかくなって伸びて行きそのままドリル状に変形して地中を侵攻する。

ヤシマ作戦ではクラスメートに励まされたり、
戦闘の恐怖を克服し人類の期待を背負ってポジトロン・ライフルを再度構えるシンジの描写が泣かせる。
シンジは旧作より自分の意思が出てるよう。
ミサトがシンジの「最前線で戦っているのは自分で、他の人は基地から命令するだけだから楽」といった意味の批判を聞いて
セントラル・ドグマに降りて扉を開けると、そこにはロンギヌスの槍で十字架に貼り付けにされた第二使徒・リリスが。
ミサトらネルフの職員は「使徒とリリスが接触するとサード・インパクトが起こり、
セカンド・インパクトで半分になってしまった人類は今度こそ全滅する」ということを知っており、
ミサトはいざとなったらここを自爆させて全員が死ぬ覚悟でやっている、ということを説明しシンジを諭す。

早くもリリスが登場する。
しかも「第二の使徒」としてミサト(そしておそらく他のネルフ職員にも)明確に認識されており、
また旧作ではゼーレの七つの目の面をつけていたのだが
「序」ではサキエルの顔と同じデザインの面である。
旧作ではこの物体は初期は第一使徒アダムと認識されていたが・・・。

そしてヤシマ作戦終了後、渚カヲルが棺桶のような箱から起き上がる(註1)。
カヲル「やれやれ・・・また3人目か・・・変わらないなあ、君も、逢えることを楽しみにしているよ、碇シンジくん」
シンジの存在を知っている上に作品世界が「リセットされた同じ世界の繰り返し」であるようなセリフ。
そしてカヲルのそばにはリリスに酷似した物体が横たわっている。
第五使徒シャムシェルを倒した後のゲンドウのセリフ「我々は後8体の使徒を倒さなければならない」
から推測すると、新劇場版では計13体の使徒が存在することになる。「序」終了時点の使徒のナンバリングは

第一使徒   アダム 所在不明
第二使徒   リリス セントラルドグマ内に幽閉
第三使徒   名称不明の月の物体?
第四使徒   サキエル 殲滅済み
第五使徒   シャムシェル 殲滅済み
第六使徒   ラミエル 殲滅済み
第七使徒   未登場
第八使徒   未登場
第九使徒   未登場
第十使徒   未登場
第十一使徒 未登場
第十二使徒 未登場
第十三使徒 タブリス(渚カヲル)?

推測だが以上の様になっているのでは。
ウイキペディアによると「漫画版ではサンダルフォン、マトリエル、イロウル、レリエルの存在が抹消されており」とあり
使徒は全13体であるということなので新劇場版もそうなるのでは(註2)。
ただ「あと8体」に第一から第三の使徒はカウントされるのかどうか不明、何しろこれらはまだ「倒されてない」のだから。
そうなると8マイナス3で「あと5体」なのかも。
ストーリー展開の重要な部分とおのおののエピソードに登場した使徒を考えると以下が残る、()内のナンバーは旧作のもの。
もちろん旧作のストーリー展開から推測したものであり、
今後の作品が旧作と違った展開に進展すればおのずからこの推測も正しいものではなくなる。

ガギエル(6・魚状) アスカ来日
バルディエル(13・粘菌状) 3号機に寄生、ダミーシステム初使用、4thチルドレン鈴原トウジ重傷
ゼルエル(14・亀をモチーフとした?人形状) 初号機S2機関獲得
アラエル(15・光る鳥状) ロンギヌスの槍喪失
アルミサエル(16・DNA型の紐状) 綾波レイ(二代目)自爆
タブリス(17・渚カヲル)

うーん、今のところ数が合わないが・・・。
また次回予告では「パイロットとともに月から飛来する6号機」のナレーションもあり
第三使徒と想定したリリスに酷似した月の物体が使徒ではない可能性も。
ということは6号機のパイロットはカヲルか?
量産機は旧作では5-13号機までだったが今回は7-13号機ということになるのか?
次回作は「破」であるから旧作と符合しない部分があって当然だろう。
「次回もサービス、サービス」だそうだから。

(07.1008)

註1:ウイキペディアの解説(早い)によると、場所は月ということ。
確かにカヲルが背にしているのは地球のようだった。
註2:漫画版の使徒の数はリリスを除いてのカウントだそう。

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