綾波レイが味噌汁を飲む。
「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」



総監督:庵野秀明
監督:鶴巻和哉 摩砂雪
製作:カラー(2009年)
音楽:鷺巣詩郎
主題歌:宇多田ヒカル

<あらすじ>セカンド・チルドレンの式波・アスカ・ラングレーが弐号機と共に来日、
緒戦は使徒に圧勝する。
シンジはセカンドインパクトにより壊滅した海洋を修復させる施設(&水族館)を
加持、綾波、アスカ、鈴原、相田(&ペンペン)らと社会科見学する企画の際、
手作りのお弁当を各人に与える。
綾波はシンジの味噌汁に「おいしい」と反応する。
シンジの手料理の上手さに刺激されたか、
綾波、アスカは台所で慣れない包丁を振るい、指に絆創膏を巻く羽目になる。
綾波は「お食事会」を企画し各人に手紙を送る。
綾波は司令・碇ゲンドウにも参加を依頼し、
不覚にも綾波に妻・碇ユイの面影を感じてしまったゲンドウは
お食事会への参加を承諾する。

しかし松代における参号機の起動実験と日程が重なってしまい、
さらに参号機は使徒に制圧されたために、お食事会は中止となってしまう。




6月27日、新宿で見る。
初日2回目の10時30分の回だったのだが凄い熱気(前の方だったけど座れた)。
現場の詳細は別項にしました。こちら

オープニングは新キャラ、
メガネで巨乳の軽いキャラ、真希波・マリ・イラストリアス(女性)の操縦する
局地仕様・仮説五号機と、凍結されていた第三使徒の対戦から始まる。
明和電機の魚楽器みたいなデザインの使徒と共に五号機は自爆。

アスカは何故か「惣流」ではなくて「式波」。何故改名?
入浴直前にペンペンの存在に驚いてヌード(シンジの時と同じくぎりぎり隠してる)を披露するセルフ・パロディが楽しい。
アスカデビュー戦はオリジナル版だと対戦相手は魚型の使徒だったが、今回は十字架のような複雑なデザイン。
でもサキエルなどで見られた、能面っぽい&クチバシのデザインはある。ほぼ秒殺。

アスカは今作では何故か綾波レイを「ファースト」と呼ばず、「えこひいき」と呼ぶ
(逆に綾波はアスカを「二号機パイロットさん」「二号機パイロットの人」と呼称している)。
シンジは「七光り」。のち「バカシンジ」に変更。
いずれも碇指令を基点にしたあだ名であり、
アスカが指令に認めてもらいたい、という心境が伺われる。

高空からの自爆型使徒(最初は球体だったが落下攻撃直前で瞼状のシンメトリーのデザイン、
オリジナル版のサハクイエルのような姿に変わる)
殲滅でシンジ、アスカ、綾波は協力して使徒を倒し、3人の間に僅かながら協調性が生まれる
(アスカは自分だけの力で勝てなかったことにくやしさを感ずる)。

そしてあらすじでも述べた「水族館」の場面となる。
シンジは自作のお弁当を皆さんに披露すると、好評。
「肉・・・」綾波やっぱりな、のセリフの後、
お弁当に手をつけない綾波にシンジがお豆腐入りのお味噌汁を与えると、
綾波は「おいしい・・・」。うーん、心暖まる。
シンジの手弁当(&味噌汁)はおいしかったようで綾波、アスカの心証に何らかの変化を生み出す。


んで、次の日は綾波は学校欠席。
ゲンドウが見守る水槽の中で、裸でぶくぶくしてる。
その後ゲンドウが「レイ、食事にしよう」。
テーブルで向き合って食事してると、レイがゲンドウを質問攻め。
「みんなで食事すると、楽しいですか」「ああ」
で、レイ主催のお食事会が立案される!
しかも碇ゲンドウも出席することになる
(シンジにはサプライズで知らされていない)。
母(ユイ)の墓参りのシーンでゲンドウとシンジが同席するシーンはオリジナル版にもあったが、
これがこのシーンの前振りになっている。


しかしアメリカでの起動実験で四号機が消滅し、
参号機の起動実験が日本の松代で行なわれることになる。
オリジナル版でのこのエピソードのパイロットはシンジのクラスメイトの鈴原だったのだが・・・


弐号機凍結に伴い、選出されたパイロットは鈴原じゃなくて何とアスカ!!!!!!




オリジナル版での松代のエピソードの結末は知ってるだけにこれは・・・
ちょ、ちょっと!アスカに可哀相なことしないでくれ――――――――!
・・・しかし参号機は使徒に侵食され、初号機と対峙する。
シンジは攻撃を拒否するが、ゲンドウはダミーシステムを起動させ、
猛獣のような攻撃で初号機は参号機(使徒)を殲滅させる。
アスカは生きてるようだけど精神汚染などで隔離され容態不明。

贖罪の念を持つシンジは初号機に乗ったままストライキ。
しかし程なく拉致され、パイロットを拒否し荷物をまとめミサトの部屋から出ていく。
この時の傷の癒えないミサトの、シンジに対する告白もぐっと来る。

だが!間髪を入れず次の使徒が襲来!
あの、折りたたみ式の、カミソリの刃のような手足で攻撃する、亀の人形のようなデザインは
「拒絶タイプ最強の使徒!!(=冬月のセリフより。オリジナル版では「ゼリエル」)」
ぐわっ!大ピンチ!初号機はダミーシステムに拒否反応、出撃できず。
弐号機にマリが乗って攻撃、


ビーストモードなどを駆使するけど勝てず、
綾波が零号機で爆弾抱えて特攻!
しかし、爆発をものともしない使徒は、綾波ごと零号機を食う
オリジナル版では初号機に食われた使徒が、EVAを食う!
すると使徒に白い人間の女のような半身が派生する(綾波の体形をコピー?おっぱいもある白い体)。
まるで「G3」で仲間由紀絵を吸収して足を出したイリスのようだ (エヴァ→G3→エヴァの逆進化?)。
使徒の信号は零号機のものとなり(つまり使徒と認識できず)セントラル・ドグマへの侵入が容易となる。

さて!帰ってきたシンジはゲンドウに初号機の搭乗を力強く懇願し!
ミサトと使徒が鼻っ面合わせるかどうかってところで横から初号機が体当たり!決戦!
左腕を失った初号機は奮戦するが活動限界が来て起動停止、またしても大ピンチ。
しかーし!シンジの怒りが爆発!「綾波を、返せ!」
初号機再起動!
「行きなさいシンジ君!誰のためでもない、あなた自身の願いのために!」
「序」に続く葛城の絶叫&メッセージの背中押しで初号機前進。
鬼のような攻撃で使徒を倒す。
シンジは使徒を倒したばかりか綾波をサルベージしようと試みる。
使徒が死ぬ時の血のようなLCLのような赤が綾波の形になっていく。
自身の願い・・・パイロットを拒否した時のゲンドウとの対話が生きる。
イメージの中?で抱き合うシンジと綾波、
こ、これってだろ、普通に。
お食事会といい、参号機(使徒)を攻撃できないシンジといい、
クライマックスといい、今回の「破」のテーマはこれ、「愛」ではないか。

エンドクレジットの後、
突如新たなエヴァンゲリオン(6号機?)が出現、
槍で初号機の動きを止める。
パイロットは渚カヲル・・・。


「碇シンジくん、今度こそ君を幸せにしてあげるからね」
???何のメッセージ?

第一使徒   アダム 所在不明
第二使徒   リリス セントラルドグマ内に幽閉
第三使徒   名称不明(骨的デザイン) 「破」でEVA五号機の自爆とともに消滅
第四使徒   旧名サキエル 「序」で殲滅済み
第五使徒   旧名シャムシェル 「序」で殲滅済み
第六使徒   旧名ラミエル 「序」で殲滅済み
第七使徒   名称不明(オリジナル版の魚型はガギエル、「破」では幾何学的デザイン) 「破」で弐号機により殲滅
第八使徒   旧名サハクイエル(高空からの自爆型)「破」でEVA三体により殲滅
第九使徒   旧名バルディエル(参号機に寄生)「破」でダミーシステム可動の初号機により殲滅
第十使徒   旧名ゼルエル 「破」で再起動した初号機により殲滅
第十一使徒 未登場
第十二使徒 未登場
第十三使徒 旧名タブリス(渚カヲル)?

お食事会へのアットホームな展開がギャグではなく中だるみでもなくって
松代実験失敗の悲劇で全てがぶち壊しになる後半盛り上げへの味付けだったのは強烈でした。
あと加持が運んできたのも「小さくなったアダム」じゃなくて「何とかの鍵」だったなあ。これは今後への謎。
新キャラ・メガネの巨乳にはあんまり親近感が湧いてこない。
こりゃ個人的に「ゴジラVSデストロイア」の影響が大きいと分析する(この件は後日)。

あとオリジナル版ではクラシック音楽の多用が多かったが、「破」では日本語の既成曲の多用が目立った。
巨乳メガネが五号機進撃の時口ずさむ「365歩のマーチ」、
居酒屋で葛城と加持が飲みながら話すシーンでの「恋の季節」、
初号機が第10使徒を倒した後の「翼を下さい」、
などメッセージ性表現の補助か。


個人的な事情として、第9使徒に侵食された参号機と、
ダミーシステムで凶暴化した初号機との対戦のときに掛かる
「今日の日はさようなら」の歌詞がズドンと心に来た。
この映画上映前後で長年友人だった先輩(千里眼氏とは別の人物)が病気で意識不明になり
一ヶ月入院して亡くなってしまって。
「い〜つまでも〜絶える〜ことなく〜
と〜もだちで〜いよう〜・・・」
じじいになっても一緒に中山競馬場行って馬券買って、
帰りに酒飲んで、が続くと思っていたんだけど。
まあそれはエヴァとは関係ない個人的なことだが。
さようなら。


アスカはすでに精神を病んでしまったかのようなセリフがあり、
零号機は使徒に食われてしまったため
オリジナル版のアラエルとアルミサエルのストーリーは次回作では省略されるのではないだろうか。
でもそうなるとロンギヌスの槍の見せ場が減るなあ(零号機が槍を投げるエピソードは結構好きなんだが)。
また綾波のサルベージが成功したら「三人目」も登場しないのでは。

予告編では次回作は「急」ではなく「Q(Quickening)」だそうで!!
また8号機の登場もナレーションされた。
次回も楽しみ!

(09.0627)

7月19日、2回目を見る。
ゲンドウは「序」で「われわれはあと八体の使徒を倒さなければならない」と発言しており、
ならば今回の「破」で倒されたのは第三、第七〜第十までの五体で、あと三体残っていることになる。
アダム(新劇場版ではアダムについては殆ど語られていない)、リリス、渚カヲルはカウントされるのか?
セカンドインパクトの時、幼い葛城が見た四体の使徒?の意味は?
月のリリスみたいな物体は6号機ではなさそう。

参号機のパイロットは誰か?というシンジと相田ケンスケの会話の途中、
鈴原が舐め終わったアイスキャンデーの軸を見て「はずれや・・・」と言うシーンがあるが、
それは今回パイロットからはずれた、って意味だったんですね!!
参号機には乗らない、って意味だったんですね!ぐわっ!奥深いぞエヴァンゲリオン!
まだ続く

(追記=09.0721-?どこかで終了)

「序」はこちら
「Q」はこちら
「八岐之大蛇の逆襲」はこちら
「巨神兵東京に現わる」はこちら
「クリス・ジェリコのウォール・オブ・ジェリコ」はこちら
「大江戸エヴァンゲリオン?」横綱・綾波レイ?騒動はこちら
「黒歴史・ジェットアローン関連」ゴジラ対メガロはこちら
「シン・ゴジラ」はこちら


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