No.289「プライド無差別級GP2006決勝大会」ミルコ連続KOで初戴冠。
DSE「プライド無差別級GP2006決勝大会」
2006(平成18)年9月10日 さいたまスーパーアリーナ
同行者=なし
フジテレビ撤退後初のプライド生観戦。
アリーナ席の後方に若干の空席が見られたがそれでも満員。
入場ゲートはやや地味になったが、それでも熱気はすごくフジテレビ撤退の影響はあまり見られない。
【GP準決勝第1試合・ミルコ対シウバ】
前回の対戦は特別ルールで引き分け。ミルコはデュラン・デュランの「ワイルドボーイズ」で入場。
シウバ突っ込んでパンチ。ミルコもパンチ、開始早々から打ち合い。
シウバタックル決めるも切られてミルコが上。
ミルコ上からパンチ、シウバも下からパンチで応戦。
スタンドで再開、ミルコが左ストレート、シウバ崩れる。
ミルコ上になってパンチ連打。
ドントムーブで中央から。その時ドクターチェック。
ミルコのパンチが当たったかシウバの右目が腫れている。長引くチェック。
ドクターが指をシウバの目の前でゆっくり動かして細かいチェック。大分悪そう。
ビジョンのシウバは時間が経過するごとに右目がどんどん腫れていくよう。
ミルコも右目の上に擦過傷のような赤みが。
試合続行。ドントムーブで中央、ミルコが上のポジションから再開。
シウバ下からパンチ、ミルコ防御。ミルコ単発ながらパンチ。
シウバ鼻血、ここでブレイク、スタンド再開。
シウバにイエロー1、膠着誘発。
ミルコ左回りでシウバに左ミドル、右目が腫れているシウバは見えないで食らう。5分経過。
シウバ突進してパンチ、ミルコすかして右ミドル、さらに腰の入った左ハイキック、
まともに食らったシウバは血だるまでダウン、大の字でKO負け、壮絶なミルコのKO勝利!
シウバは右目のアクシデントが残念だったが試合を捨てずに真っ向勝負していった姿勢は高く評価。
【GP準決勝第2試合・ノゲイラ対ジョシュ】
国立競技場「ダイナマイト」での宣戦布告以来遂に実現した一戦。
ジョシュはアニメ「北斗の拳」のテーマで入場、「クリスタルキング」の田中昌之の高音が甦る。
序盤はパンチの交錯、組むとジョシュの膝蹴りがノゲイラのボディにヒット。
ジョシュ、ローキックを放つ。
ジョシュのパンチが当たってノゲイラが尻餅、ジョシュ上になって攻める。
ジョシュ、一旦立って横から入りなおす。
ノゲイラがガードポジション。下からパンチ。
ノゲイラが下から足を取ってスタンドに移行。ロープに押し込む。
ノゲイラがテイクダウンに成功、上になって左腕狙い。
ノゲイラがサイドP、左で顔面パンチ、さらに膝蹴り。
スタンドに移行する際にジョシュがうまくキャッチしてフロントスリーパー!
コーナー際で深く決まったように見えたがノゲイラ脱出、しかしジョシュ離れ際に膝蹴り。
スタンドでパンチの攻防、第1R残り3分。
ジョシュ、バックに回ってテイクダウン、さらに足関節狙い。
離れ際ノゲイラがうまく足にしがみついて上を取る。
ノゲイラ顔面パンチからマウントポジション。残り1分。
ノゲイラ、腕ひしぎ逆十字の体勢、ジョシュ大ピンチ、必死に両手をロック。
しかしジョシュが脱出、さらに上になりバックへ、
ジョシュがスリーパーを狙おうかというところで第1R終了。
これは好勝負、すごいグランドの攻防。
2R、ノゲイラがタックル、ジョシュ倒れずコーナーへ。
ジョシュがぶって上をキープ。ノゲイラ下から緩いパンチ。
離れ際、またしてもノゲイラが足を取ってテイクダウンさせて上になる。こういう泥臭いところノゲイラうまい。
ノゲイラがパンチ連打、さらにマウントを取る。しかしジョシュ下から動いて返す。3分経過。
ノゲイラがグランドでバックを取って何か狙うが攻められず。
残り1分、ジョシュがサイドを取る、右アームロック狙い、さらにジョシュがヒールホールド、ここで試合終了、決着は判定に。
判定はどちらに転んでもおかしくないと思ったが、2-1のスプリットでジョシュが勝利!
危ない場面はあったが全体的に試合をコントロールしていた印象。
この結果決勝のカードはミルコ対ジョシュの3度目の対決と決まった。
【GP決勝・ミルコ対ジョシュ】
両国国歌吹奏、高田統括本部長の認定宣言からいよいよ決戦開始。
どちらかといえばKOで勝利したミルコの方がスタミナを温存でき、
逆にノゲイラ相手にフルラウンド闘ったジョシュは疲労が残っていると思われるが。
いきなり距離が詰まって両者ジャブの応酬。
ミルコ左ミドル、ジョシュ後退するもタックル、しかしミルコこれを冷静に処理。
ミルコ右ストレート、強烈、ジョシュもローキック。
ミルコのミドルキックをジョシュ足を取ってコーナーで粘る。
離れてミルコパンチ、ジョシュドロップキック?
倒れたところミルコが上、しかしミルコ右目の上から出血、ドクターチェック。
ミルコが上のポジションから再開。
ジョシュが下からミルコの首を持ってコントロールしようとする。
スタンド再開、ミルコ左ストレートから右フック、ジョシュ何とか耐える。5分経過。
ジョシュ、ローキック、さらにタックルでロープに詰める。ジョシュ膝蹴り。
しかしミルコがすごいボディブロー、ジョシュダウン。
ミルコ上からパンチ連打、ジョシュがディフェンス。
上からのミルコの強烈な左パウンドが顔面に入ってジョシュがタップ、ミルコがKO勝ち。
しかしどうやら直前の足関節の攻防でミルコの指がジョシュの目に入って目が見えなくなった状態になったよう。
トーナメント初優勝、重いクラスでストライカーが優勝したというのはやはり驚異。
やはりあなどれない男だミルコ。
【西島対サイボーグ】
入場時のプロモ画像はサイボーグは顔の半分がむき出しの機械で赤い目、そう映画「ターミネーター」みたいな。
スタンドでパンチの応酬、サイボーグ首を掴んで固定しての膝蹴り。
西島は首相撲に対応できず、攻撃を浴びるばかり。
サイボーグ、タックルで西島を倒して上になる。
西島、首を押さえてディフェンスするもサイボーグがマウントポジション。
サイボーグ、細かいパンチ。西島の腹の上に乗って重心を決めてのパンチ連打。
西島が後ろを向いたところをサイボーグがスリーパー、これで決着。
西島はこれでプライド3連敗、本人には悪いがこの力量でGPにエントリーされたのは正直問題では。
【GPリザーブ戦・アレキサンダー対ハリトーノフ】
ハリトーノフのプロモでのニックネームは「死神落下傘」。これはレトロプロレスっぽくていい感じ(笑)。
しかし入場してきたハリは頬にひげをたくわえて、少し太ったよう。以前の精悍さが見られない。
試合は中盤、アレキのパンチにハリ、「来い、来い」と手で挑発。アレキ構わずパンチ、少し効いたよう。
ハリがタックル、アレキがかわしてグランドでバックを取る、そして後ろからパンチを連打するとハリ動けず、アレキのノックアウト勝利。
かつてはのちのK−1王者セーム・シュルトを残忍な攻撃で粉砕し、一昨年のヘビー級GPではベスト4、
「3強+ハリ」とも呼ばれた死神落下傘が今年は大スランプ。
【イ対モラエス】
モラエスはハリウッド版ゴジラの曲「カム・ウイズ・ミー」で入場。怪獣ネタが多い。
イは韓国相撲「シルム」の無敵横綱。チェ・ホンマンにも勝ち越しているとか。
プライド出場宣言から僅か1ヶ月での実戦デビュー。
しかし試合は巨漢の両者スタミナ切れで、スローな動きに場内から失笑。
結局左目付近から出血したイ、彼の陣営からのタオル投入でモラエスの勝利。
【中村対KISS】
KISSはサンダーバードのカウントダウンから「新・仁義なき戦い」のテーマでの入場。いまいちだなあ。
おいらは入場曲は「ラビン・ユー・ベイビー」がいいと思うが。演奏はハードロックバンドのKISS(笑)。
中村はスポンサーのドン・キホーテのキャラクターの縫いぐるみの先導で登場。
試合は中村が時折り飛び膝蹴りを見せるものの、両者がスタンドで見合うシーンが多く決定的な攻撃が出ず。
場内ブーイングの連続。
イエローの差で中村が勝利したが、両者とも株を下げた感じ。
戦った両者には失礼かもしれないが、見る側としてはやらなくてもいいような試合だった。
【ショーグン対スネーク】
春先にコールマンのタックルで右ひじを脱臼したショーグンの復帰戦。
スネークは長身のストライカー。
スネーク、グランド状態を何度も抜け出して打撃を当てるがショーグンがマウントパンチ。
抜けたスネークにさらに追い討ちの顔面ストンピングでショーグンの勝利。
【アローナ対アリスター】
「ミドル級第3の男決定戦」がセミファイナルとは興味深い。
アローナのローキックでアリスター尻餅。アローナのローは重いのか。
シウバ戦でも食ったシウバが簡単に倒れたのを見た記憶がある。隠れた名ローキッカーかも知れない。
アローナ上に。4点膝攻撃顔面に。
アローナ、アリスターのバックを取ってかなり有利な展開。
アローナ、バックからパンチ。得意の大きく振りかぶっての打撃。
足を入れてスリーパー狙い。これが阻止されるとバックからパンチ連打。
アリスターがたまらずタップしてアローナの圧勝。やはり強い。
アリスターはセコンドに肩を貸されての退場。やはりローキックで足を痛めたか。
試合内容もよく、地上波撤退問題の影響はあまり感じられなかった。
ただメディア戦略でK-1・HERO'Sの後塵を拝したのは間違いなく、今後の展開にも注目。
あとやはり入場料は高額過ぎ。7千円の上はすぐ1万7千円。もう少し何とかならないものか(ならないだろうが)。
(2006.0910、0930)
DSE「プライド無差別級GP2006決勝大会」
2006(平成18)年9月10日 さいたまスーパーアリーナ
観衆4万7410人(満員)
1.1R10分、2・3R5分
○エヴァンゲリスタ・サイボーグ(裸絞め、1R3:24)西島洋介●
2.GP準決勝2R制(1R10分、2R5分)
○ミルコ・クロコップ(KO、1R5:22)ヴァンダレイ・シウバ●
*左ハイキック。
3.GP準決勝2R制(1R10分、2R5分)
○ジョシュ・バーネット(判定2-1)アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ●
4.GPリザーブ戦2R制(1R10分、2R5分)
○エメリヤーエンコ・アレキサンダー(KO、1R6:45)セルゲイ・ハリトーノフ●
*背後からのパンチ連打。
5.1R10分、2・3R5分
○ヒカルド・モラエス(TKO、1R8:08)イ・テヒョン●
*セコンドのタオル投入。
6.1R10分、2・3R5分
○中村和裕(判定3-0)中尾“KISS”芳広●
7.1R10分、2・3R5分
○マウリシオ・ショーグン(KO、1R5:29)ザ・スネーク●
*顔面踏みつけ。
8.1R10分、2・3R5分
○ヒカルド・アローナ(タップアウト、1R4:28)アリスター・オーフレイム●
*背後からのパンチ連打。
9.無差別級GP決勝戦2R制(1R10分、2R5分)
○ミルコ・クロコップ(KO、1R7:32)ジョシュ・バーネット●
*左パウンド。ミルコが初優勝。
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