No.295
「K-1 WORLD GP2006決勝戦」シュルト2連覇、アーツ大健闘、ホースト引退、レミー受難の日。




「K-1 WORLD GP2006決勝戦」
2006(平成18)年12月2日 東京ドーム
同行者=千里眼

【決勝戦・シュルトvsアーツ】

 

オランダ勢が強い大会とはいえ史上初の同国対決。
クイーンの「ウイ・アー・ザ・チャンピオン」の調べにのってシュルト、アーツ入場。
アーツ、スタートからいきなりストレートからの突進、積極的な攻撃。
ブレイク後シュルトが膝蹴り。
アーツ右のロー。左右パンチ。意外に懐に入ってパンチ攻撃。
シュルトはボディブロー、抑えての膝蹴りで応戦。
2R、シュルト、アーツをコーナーに追い込んでパンチ連打。
準決勝のホースト戦でもそうだったが、シュルトはコーナーに相手を追い込んでの攻撃が上手。
アーツ回って脱出、パンチで反撃。
ロープ際、シュルトの前蹴り→膝蹴りでアーツ微妙なダウン。
しかしアーツ立ち上がってパンチの打ち合いを挑む。
かなりシュルトの顔面を脅かせるが、シュルトクリンチで逃げる。
3R、アーツの右ロー、シュルト嫌がる。
しかしアーツもう一歩及ばず試合終了、判定は3-0でシュルト。

入場式のオープニングは「ツァラツトラはかく語りき」。B.サップが出てくるのかと思いましたよ。
それからマジシャン・セロの瞬間移動。

【リザーブファイト第1試合 アーツvs武蔵】
アーツは映画「パルプ・フィクション」のミザルー(冒頭セリフ付き)で入場。
アーツ、ロープ際で左右パンチ連打から膝蹴り、武蔵早くもぐらつく。
武蔵得意の左ミドル、アーツ右ローから膝蹴りで逆襲。
アーツ、ロープ際で右フックから左右連打、武蔵ダウン、カウント9で立つ。
アーツさらにロープ際で左右連打で武蔵再度ダウン、アーツのKO勝ち。
武蔵あっけなく敗れる、今年今だ勝ち星なし。
もはや日本のエースとしては限界か?





【シュルトvsバンナ】
シュルト前蹴り、バンナ踏み込んでのストレート。
シュルト前蹴りからロー、ハイと攻撃が多彩。バンナ、クリンチでコーション1。
2R、シュルトの左ハイがバンナの後頭部を直撃。
バンナ、ロープに捕まるようにしてダウン。
このダウンが響いてか判定は3-0でシュルト。
バンナはプロモVTRだとK-1をリスペクトしている発言をしていたが
実際は映画撮影との二股(アラン・ドロンと共演?)らしい。
それも確かにビッグ・チャンスだとは思うが、
その分K-1に時間を割くわけにはいかなくなるわけだから
それでGPを制するのは困難なことではないか。

【ホーストvsハリッド】
ハリッドは青年実業家の大金持ち。こちらも副業あり。 
この大会を最後に引退するホーストは何だか軽く見え
キックをディフェンスされると自分が倒れる状況が多く見えた。
延長ながら手数の差でホーストの判定勝ち。

【フェイトーザvsカラエフ】
カラエフ、スタートからスピーディーなパンチでグラウベを押し込む。
グラウベの蹴りが急所に入って軽いインターバル。
グラウベ、左のハイキック、軌道が読めない蹴りなのかカラエフのガードの上を越えて顔面直撃。
さらにグラウベ、ぐらつくカラエフに左右パンチ連打。
カラエフ、スタンディングダウンを取られてそのまま10カウント。
グラウベが凄い変則キックからほぼノーダメージの勝利、控室に戻る表情には自信が伺える。
逆にカラエフは通路で正座して号泣。

【ボンヤスキーvsレコ】
レミー、スタートから左ハイ連発。
レコの左ローキックがレミーの急所に入って試合中断。
レミーに3分のインターバルが与えられたが、レミーすっごく痛そう。
ファールカップのセットしなおしでさらに1分間の時間が。
それでもレミーが回復しないので1R0分17秒で試合を止め
第2リザーブ戦の後に再開することが発表された。

【リザーブファイト第2試合 セフォーvsマヌーフ】
マヌーフは総合中心に活躍しているライトヘビー級の選手だが、セフォーとの体重差は16kgあまり。
レフェリーチェックで並んでも明らかにセフォーの方が大きい。
開始、マヌーフはローから左ハイ。
セフォー右フック、マヌーフの後頭部をかするように2発決まるとマヌーフダウンして10カウント。
体重差がモロに出たか。

【ボンヤスキーvsレコ(続行)】
レコに警告1が与えられ、1R0分17秒で止まったところから再開。
レコ、ローからハイ、さらに右のバックスピンキック。
これが再びレミーの下腹部に命中!痛がるレミー。
また!3分間のインターバルが体力回復のためレミーに与えられる。
その間「このインターバルでボンヤスキー選手の体力が回復しない場合は
レコ選手の反則負けとなります」のアナウンスが。
レコ減点1で再開、でもレミーはまだ苦しそう。
レミー、ハイキック連打。
レミーのハイキックとレコのパンチ、レコはさすがに下段の蹴りが出ない。
レミー、膝蹴り、ハイキック、ローと多彩なコンビネーション。
レミー、得意の飛び膝蹴りも出る。
ここで1R終了、たいへん長い1Rがようやく終了。
2R、レミーやや引き気味、レコパンチからバックブロー。
レミーの右ローキックが効いているよう。
レコ、コーナーに詰めてアッパー、さらに飛び膝。
終了間際にレミーも飛び膝。
3R、レミーの、鼻先をこするような右フックでレコ、ストーンと腰から落ちるようにダウン。
判定は決定的、レミーの勝利、しかしレミー、勝っても具合が悪そうで何かが起こりそうな予感。

【シュルトvsホースト】
中盤からシュルトがホーストをうまくコーナーに追い込んでの連打でポイントを稼いでの勝利。ホーストはクリンチでコーション2回。
ホーストはこの試合を最後に引退、観客席四方に礼をして退場。

この後マジシャン・セロが再登場してマジックを披露、「オリーブの首飾り」は掛からなかった。

角田プロデューサーがリングに登場して説明。
レミーは急所負傷のダメージが激しくドクターストップ、レコも足首を負傷、
ということで第1リザーバーのアーツが準決勝に登場!
場内は大歓声。今年は開幕戦を病欠して初めてトーナメントに登場しないとされていたが、強運で準決勝進出。
【フェイトーザvsアーツ】
アーツ、右ロー連発。
グラウベの変則左ハイでアーツぐらつく。しかしアーツ右ロー。
グラウベ再び左ハイ、1R終了間際にはカカト落とし。
2R、アーツ、抱えての膝蹴り。
ロープに詰めて左右パンチ連打、グラウベダウン、立ち上がるもレフェリーストップ、アーツがKO勝ちで決勝進出。

2年連続のリザーバー登場で場内は沸いた。
昨年は負傷したアーツの代打で登場したグラウベが、今年はリザーバーとして出てきたアーツに負けたのは面白い。
シュルトは来年は前人未到の3連覇がかかるが、さてどうなるか?
バンナ、ホースト、アーツとベテラン勢を一蹴したシュルトに対抗できるのは若き新勢力か。
あるいは体格で引けを取らない韓国のチェか。

(2006.1203)

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FEG「K-1 WORLD GP 2006 決勝戦」
2006(平成18)年12月2日 東京ドーム
観衆5万4800人=主催者発表  

1.オープニングファイト3分3R
○佐藤 匠(KO、2R2:43)高萩ツトム●
*右ストレート、3ノックダウン。

2.オープニングファイト3分3R
○澤屋敷純一(判定2-1)野田 貢●

3.オープニングファイト3分3R
○堀 啓(判定3-0)キム・ギョンソック

4.リザーブファイト第1試合 3分3R(延長1R)
○ピーター・アーツ(KO、1R2:53)武蔵●
*左右パンチ連打。

5.トーナメント準々決勝 3分3R(延長1R)
○セーム・シュルト(判定3-0)ジェロム・レ・バンナ●

6.トーナメント準々決勝 3分3R(延長1R)
○アーネスト・ホースト(延長1R判定3-0)ハリッド・“ディ・ファウスト”●

7.トーナメント準々決勝 3分3R(延長1R)
○グラウベ・フェイトーザ(KO、1R1:11)ルスラン・カラエフ●
*左変則ハイキック→左右パンチ連打。

8.トーナメント準々決勝 3分3R(延長1R)
レミー・ボンヤスキー(試合ストップ、1R0:17)ステファン・“ブリッツ”・レコ
*レミー急所負傷により第9試合後に再開。

9.リザーブファイト第2試合 3分3R(延長1R)
○レイ・セフォー(KO、1R0:40)メルヴィン・マヌーフ●
*右フック2連発。

8.トーナメント準々決勝 3分3R(延長1R)
○レミー・ボンヤスキー(判定3-0)ステファン・“ブリッツ”・レコ●
*1R0:18から再開。
試合後レミー、レコとも負傷で進出できず、第1リザーバーのアーツが準決勝進出。

10.トーナメント準決勝 3分3R(延長1R)
○セーム・シュルト(判定3-0)アーネスト・ホースト●

11.トーナメント準々決勝 3分3R(延長1R)
○ピーター・アーツ(KO、2R1:02)グラウベ・フェイトーザ●
*右ストレート→左フック、レフェリーストップ。

12.3分3R(延長1R)
○バダ・ハリ(判定3-0)ポール・スロウィンスキー●

13.トーナメント決勝 3分3R(最大延長2R、決勝のみ3ノックダウン)
○セーム・シュルト(判定3-0)ピーター・アーツ●
*シュルトが2度目の優勝で2連覇達成。

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